同教授らは教材に「2023年8月、米ロサンゼルス・コンベンション・センターにはCJが主催したK-POPコンサートのイベントを見るために14万人が集まった。食品メーカーのCJ第一製糖は会場にブースを設け、マンドゥやトッポッキ(餅の唐辛子みそ炒め)などのKフードを販売した。食べ物のにおいをかいだ人々は行列した。Kカルチャーが持つ影響力がどこまで拡大するのかの縮図を示した場面だった」と書いている。
また、同教授らは「CJ第一製糖は冷凍流通企業シュワンズ・カンパニー(Schwan’s Company)を買収、2019年に23億ドル(現在のレートで約3400億円)だった売上は2022年に30億ドルにまで成長した。ウォルマートやクローガーなどの大型スーパーに商品を納入することで物流網を急速に広げてきたことも、米国でのシェアを急速に拡大できた原動力だ」と分析した。
■「現地化に優れたKフード」
ラインハート教授らは、CJ第一製糖がKフードを海外で販売する際、現地化戦略に注意を払った点にも注目した。教材には「CJ第一製糖は海外市場のトレンドを詳細に分析し、グローバル戦略製品を選定した。特にマンドゥの場合は、米国の現地工場でコリアンダーを入れた製品や一口サイズの製品を作るなどして、市場のニーズを積極的に反映させた。このため、同社のブランド『ビビゴ』のマンドゥは2020年、単一品目でグローバル年間売上1兆ウォン(約1100億円)を突破し、2021年から米マンドゥ市場占有率1位になった」と記載されている。
さらに、国ごとに戦略が異なることにも注目した。同教授らは「国別に人口・所得・韓国料理店数やコールドチェーン(低温流通体系)のインフラまで綿密に検討しながらKフードを広めていったことがシェアをより一層拡大できた秘訣(ひけつ)だった」とも述べた。
CJ第一製糖の関係者は「ハーバード・ビジネス・スクール側から『グローバルに拡大した韓国のポップ・カルチャーが韓国の食品産業まで全世界に広めた話を紹介したい。そのため、CJ第一製糖の事例を教材に使いたい』と連絡があった」と語った。
宋恵真(ソン・ヘジン)記者