「卒業式のときに着る学生服ありませんか。〇〇中学のズボンでサイズは68です」
仁川のあるママカフェには最近、中学生の息子が着る学生服を譲ってほしいとする書き込みが掲載された。息子は普段学生服をあまり着ないため、3年前に買っておいた学生服が知らない間に小さくなってしまったのだ。卒業シーズンを迎え、インターネットのカフェやソーシャルメディアには、こうした中・高生の学生服の古着を買ったり借りたりするための書き込みが多数掲載されている。
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子どもの卒業を控えた父兄が学生服の古着を求める理由は、生徒たちが普段学生服をあまり着ないためだ。約10年前から生徒たちの便宜を図るために、全国の中・高校で生活服が導入され始めたが、事実上学生服を代替することになった。ジャケットやベスト、ワイシャツなどから構成されている学生服とは違い、生徒たちが着やすいフード付きのTシャツや綿のズボンなどとなっているためだ。生活服を好む生徒たちは入学式や卒業式のような公式的な行事のときだけ学生服を着るという。世宗市で中学校の教師を務めるクォン・スンジュンさん(29)は「生徒たちが学生服に代わって楽に着られるよう生活服を導入した」とし「多くの生徒たちが3年間引き続き学生服に代わって生活服や体操服だけを着て登校する。なので卒業式のときだけ学生服を手に入れるようになった」と話す。
中学2年の子どもを持つソウル市のある両親は「子どもは学生服が不便との理由から生活服や体操服だけを着ていく」とし「今では学生服が小さくなってしまったが、1年後の卒業式に合わせて新しい学生服を買うのはお金がもったいない」という。全羅南道光陽のある高校に通うイム君(19)は「生活服だけでもいい学校なので、高校3年間で学生服は7、8回ぐらいしか着ていない」とし、卒業式のために先輩たちから学生服を借りる友人が多い」と話す。寄贈された学生服を低価格で再販売する「学生服銀行」も、卒業シーズンになると問い合わせが殺到するという。ある学生服銀行の関係者は「ジャケットやシャツで構成された従来の学生服が生活服に取って代わられた」とし「学期初めや卒業写真を撮影する際にのみ学生服が必要となる」と話した。
学生服がさほど必要ないため、初めから学生服の古着を譲り受けるケースも増えている。中学入学を控えた子どもを持つある両親は「今年上の子が中学生になるが、学生服を買うかどうかで迷っている」とし「周囲では生活服や体操服があるため、学生服はほとんど着なくなっている。なので譲ってもらうのが賢明と言われた」と話した。
ク・ドンワン記者