2022年サッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会では、日本の応援団が最後まで残ってスタジアムを掃除する姿が話題になった。選手たちもロッカールームをきれいに片付け、感謝のメッセージと共に、丁寧に折った折り鶴まで残して立ち去った。2018年ロシアW杯の時も、日本代表チームはロッカールームの床がピカピカで滑りそうなほどきれいに後片付けをしていた。英BBCは「日本の試合がある日はW杯ボランティアがすることがなくなる」と報じた。
【写真】3日、ドーピング検査を終えた後に検査室の後片付けをする金玟哉
今回のアジア・サッカー連盟(AFC)アジアカップ・カタール大会では韓国代表DF金玟哉(キム・ミンジェ、27)=バイエルン・ミュンヘン=が「後片付け美談」の主人公になった。今月3日のオーストラリア戦終了後、金玟哉は違法薬物使用の有無をチェックするドーピング検査の対象になった。国際サッカー連盟(FIFA)は試合直後、無作為に選手を選び、尿と採血検査を行うが、ピッチで汗をかき、体内の水分をほとんど出し切った選手たちは、尿を提出するために水を無理やり飲まなければならないなど、試合後も1-2時間苦労する。
ところが、疲労困憊(こんぱい)の状況でも、金玟哉はドーピングテストを受けた部屋を片付け始めたという。大韓サッカー協会関係者は「部屋に残っていたタオルやボトル、食べ残しのスナックなどを片付けようと、協会スタッフや医療スタッフまで加わった。私たちは韓国はもちろん、オーストラリアの選手たちが置いていったものまで全て片付け、ドーピングルームを出た。オーストラリア戦終盤に足の痛みを訴えたほど懸命にプレーしていた金玟哉が率先して片付けようと立ち上がったので驚いた」と語った。金玟哉は「清掃スタッフの皆さんがドーピングルームを見た時、『韓国人たちは片付けもせずに帰った』と言うかもしれない。海外でそのようなことを言われる必要はない」と話したという。
カタールの現地メディアも、韓国のサッカーファンの後片付けに注目した。カタールのアルカス・テレビは3日、公式交流サイト(SNS)を通じ、ほとんど人のいない観客席を韓国の応援団が片付ける動画を公開した。応援団はあらかじめ用意した大きなゴミ袋を持ち歩き、客席に残っているゴミを拾っていた。このため、「すばらしいマナー」「良い文化」など称賛のコメントが寄せられている。
アル・ワクラ=イ・ヨンビン記者