現在与野党に関係なく韓国国会議員の多くが4月の総選挙に向け慌ただしく活動しているが、その一方で最近国会議事堂で最も多くのニュースを発信している人物が無所属の尹美香(ユン・ミヒャン)議員だ。尹美香議員の行動は国民を代表する人物とは到底考えられないものばかりだ。
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尹美香議員は1日、自らが代表として国会に提出した「韓国軍によるベトナム民間人被害事件特別法」の採決を求める記者会見を他の複数の議員らと共に行った。60年前にベトナムに派兵された韓国軍による「性暴力や虐殺」などの調査を要求したのだ。これら一連の被害についてベトナム政府はこれまで一度も問題提起を行ったことはないが、大韓民国の国会議員がこれを求めるとはどういうことか。ベトナム戦争に参戦した元軍人らの団体は「根拠のない主張で侮辱する尹美香議員に対して深刻な遺憾を表明する」と反発している。
その数日前に尹美香議員が国会で開催した討論会では親北団体の関係者らが「平和のためなら北朝鮮の戦争観も受け入れる」「北朝鮮の戦争は正義の戦争観」などと発言した。北朝鮮が再び南侵しても良いとも受け取れる発言ばかりだった。これに対して尹美香議員はその一連の荒唐無稽な主張を制止するどころか「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の反北、滅北政策が我々の障害」と自ら発言した。尹美香議員は昨年も日本で朝鮮総連が主催する関東大震災追悼行事に出席した。朝鮮総連は韓国政府を「南朝鮮かいらい徒党」と呼んでいる団体だ。
尹美香議員は正義記憶連帯の理事長だった当時、元慰安婦被害者の公金などを横領した容疑で2審で懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪が宣告された。尹美香議員は元慰安婦女性の支援金を自らのヨガ教室受講料やマッサージ費用に使うなど、総額8000万ウォン(現在のレートで約890万円)を横領したが、これを事実であると裁判所が認めたのだ。慰安婦救済運動の功績が認められて議員バッジを得たはずが、実際は元慰安婦女性を食い物にしていたのだ。「慰安婦は売春婦」と発言した柳錫春(リュ・ソクチュン)元延世大学教授が先月末に無罪判決を受けた際には、尹美香議員は「被害者の人生を否定する判決」と反発した。
尹美香議員の量刑は議員資格喪失に相当する。尹美香議員は2020年に野党・共に民主党の衛星政党だった共に市民党から比例代表で当選し国会議員となったが、今なお国会議員であり続けるのは共に民主党のためだ。あまりに深刻かつ破廉恥なその罪状から、与党・国民の力は大法院(最高裁判所に相当)の法律審を待たずに議員資格の剥奪を求めており、共に民主党も当然これに応じるべきだろう。そこまで行かずとも普通の市民としての良識があれば、尹美香議員は自ら議員辞職するのが当然ではないか。ところが尹美香議員は自ら国会議員としての立場を固守し、民意の殿堂を舞台に大韓民国のアイデンティティーを否定し侮辱する活動を今も続けている。これはおそらく今の国会議員の任期が終わる5月末まで続くだろう。