【ソウル聯合ニュース】日本による植民地時代の徴用被害者への賠償問題を巡り、韓国政府側が新たに訴訟で勝訴が確定した原告側と今週後半から「第三者弁済」に関する面談を開始したことが3日、確認された。消息筋が明らかにした。
第三者弁済は日本企業への賠償命令が確定した訴訟の原告らに対し韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が民間の寄付によって財源をまかない、日本企業に代わって賠償の確定判決を得た徴用被害者らに賠償金などを支払うというもので、政府が昨年3月に発表した。
徴用訴訟を巡っては、昨年末から日本企業に賠償を命じる確定判決が新たに出ているが、これらの原告と財団関係者が直接会ったのは初めてという。
これらの訴訟は、被害者の賠償請求権を初めて認定した2012年の大法院判決を受けて別の被害者らが起こした、「2次訴訟」とくくられる訴訟の一部。
先月25日には徴用被害者と遺族が日本の機械メーカー・不二越を相手に起こした訴訟3件の上告審でも原告勝訴が確定し、大法院に上告されていた「2次訴訟」は全て被害者側の勝訴となった。
勝訴が確定した2次訴訟の原告は被害者基準で計52人。被害者が死亡して遺族が権利を継承するケースが大部分であるため、財団が接触する人数はこれよりもはるかに多い。そのため政府の解決策を説明し、意思を問う手続きに数カ月以上を要する可能性があるという。
一方で、支払いのための財源も問題になるとみられる。財団は鉄鋼大手・ポスコが拠出した40億ウォン(約4億4000万円)を第三者弁済の財源としているが2次訴訟の原告への支払いには不足が生じるという。