【ソウル聯合ニュース】韓国政府が医師不足の解消に向け、医学部定員の増員を強く進めており、医師団体の反発が強まっている。医師団体は医療の質の低下などが懸念されるとして定員増員に反対している。
韓国政府は1日、盆唐ソウル大学病院で「命と地域を生かす医療改革」をテーマに国民参加型の新年業務報告「国民と共にする民生討論会」を開いた。討論会で保健福祉部は韓国の必須医療が置かれている状況を「崖っぷち」と指摘し、医療人材の確保や地域医療の強化、医療事故の安全網構築、補償体系の公正性向上の改革案を発表した。
2025学年度から適用する医学部定員の増員規模は明らかにしなかった。ただ、保健福祉部は討論会前に開いた事前説明会で06年以降、3058人のままとなっている定員を必ず増やす方針を強調した。朴敏守(パク・ミンス)保健福祉部第2次官は「医学部定員の増員規模を発表すると医療界が強く反発すると思う」としながらも、「今回は必ずやるという考えで、今回失敗したら韓国はないという悲壮な覚悟で臨んでいる」と強調した。
ただ、大韓医師協会など医師団体の反発は依然強い。専攻医(研修医)でつくる大韓専攻医協議会はこのほど会員を対象に実施したアンケート調査で、回答者の86%が医学部定員の増員を強行する場合、集団行動を取る意思を示したと明らかにした。
韓国政府は35年には医師が約1万5000人足りなくなるとみて、25学年度から定員を増やす方針だ。増員数は1000人以上との見方が大勢を占め、2000人を超える可能性があるとの見方もある。
増員後は日本の厚生労働省の医師需給分科会などを参考に、医師の需給政策を具体化する方針だ。