■焦る中国…遅ればせながら景気浮揚策
一時、世界の経済成長をけん引した中国は、真逆の道を歩んでいる。国内総生産(GDP)の25%を占める不動産市場が低迷する中、物価も昨年10月から3カ月連続マイナスを記録するなど、デフレに苦しんでいる状況だ。昨年5.2%成長し、今年も4%台半ばの成長が予想されてはいるが、人口までもが22、23年に2年連続減少したことが分かり、構造的成長鈍化に対する懸念が高まった。13年に習近平国家主席が政権を掌握し、中華民族の復興という「中国の夢」をビジョンに掲げ、米国の覇権に挑戦しようと奮闘したが、過去の中華帝国の名声を取り戻す前に、中国の夢が悪夢と化す危機に直面したのだ。
国際通貨基金(IMF)のジョシュ・リプスキー元顧問はブルームバーグに対し、「中国がGDPベースで世界最大の経済大国になるという全ての話は後回しにされ、無期限というわけでないが先延ばしされた」と述べた。
1月16日に開かれた世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で、中国の李強首相は「23年は浮揚策なしで5.2%成長した。中国式で成長する」と述べたが、わずか1週間後に中国政府は2兆元(約42兆円)規模の証券市場安定基金投入と銀行の支払準備率0.5%引き下げなどの資金供給措置を打ち出した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「こうした突然の態度変化の背景には、景気に対する懸念がある」と指摘した。
ピーターソン国際経済研究所(PIIE)のアダム・ポーゼン所長はブルームバーグに対し、「習近平主席がコロナ期間に経済・社会全般にわたり恣意(しい)的かつ権威的な権力を行使し、その結果として、家計と企業がカネを使わずに積み上げている」とし、「経済的コロナ後遺症を体験している」と指摘した。強力なコロナ封鎖政策が経済体力をそぎ、長期不況を招いたという意味だ。
金垠廷(キム・ウンジョン)記者