中国が2010年代半ばから「中国製造2025」を掲げ、製造業育成に取り組んだ結果、先端半導体と一部ディスプレー製品を除けば競争力を保つ韓国製品はほとんどなくなったと分析されている。中国では代表的な中間財である石油化学製品は中間原料やベースオイルのような汎用製品の自給率が90%以上に高まり、2013年に235億ドルに達した対中輸出が昨年は170億ドルにまで減少した。コロナ前まで中国の自給率は60%前後だったが、ここ数年間で生産設備の増強が続き、もはや韓国製品を必要としなくなった。
B2C(企業と一般消費者の取引)製品もかつて中国市場で大きな人気を集めた化粧品の不振が続いているほか、昨年の輸出額が709億ドルに達し、過去最大を記録した韓国車も中国市場での販売額は3億ドルにとどまった。二次電池は韓国が中国から83億ドルを輸入し、韓国からの輸出額(5億ドル)の16倍に達した。
このように競争力の低下が続く中、昨年はコロナ下で拡大した世界的なIT需要まで冷え込み、対中輸出の支えてきた半導体の輸出が昨年、韓国は前年比30.6%減の361億ドルにとどまった。半導体輸出急減を受け、中国の韓国からの輸入は2022年の2002億ドルから昨年は1625億ドルへと18.8%も減少した。
中国企業の需要が集中するメモリー半導体などの競争力を維持し、中国内需市場でも競争力を持つことができる新産業を育成しすることは喫緊の課題だ。依然として韓国の輸出の20%近くを占める最大輸出相手国であり、経済成長率が5%に達する中国市場を直ちに放棄することはできない。産業研究院のパク・ソングン動向分析室長は「今年は半導体景気が回復すると見込まれることは希望的だ」とした上で、「米中の覇権争いの中でまず韓国が優位に立っている半導体で格差を維持する戦略が求められ、脱中国戦略を持ち続けるとしても、中国市場を無視してはならない」と指摘した。
趙宰希(チョ・ジェヒ)記者