【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル西部地検は３０日、大学での講義中に旧日本軍の慰安婦は売春の一種などと発言して名誉毀損（きそん）の罪に問われた柳錫春（リュ・ソクチュン）元延世大教授（６８）を無罪としたソウル西部地裁判決を不服として控訴したと発表した。
同地検は、柳氏の発言内容が歴史的に立証された事実に反していること、単なる意見表明ではなく事実の摘示に該当すること、憲法で保護される学問の自由も一定の限度があることなどを考慮すると地裁の判断は間違っているとの見方を示した上で「これを正す必要がある」と説明した。
柳氏は延世大教授だった２０１９月９月に大学の社会学の講義で慰安婦は売春の一種などと述べ、慰安婦被害者らの名誉を傷つけたとして在宅起訴された。また、慰安婦被害者を支援する市民団体「韓国挺身隊問題対策協議会」（「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」の前身)が被害者に対し強制動員されたと証言するよう教育したと発言したことでも名誉毀損罪に問われた。
ソウル西部地裁は今月２４日の判決公判で、柳氏の講義中の発言が憲法で保護される学問の自由と教授の自由に該当し、討論の過程で明らかにした個人的見解だと判断し無罪を言い渡した。
一方で、韓国挺身隊問題対策協議会に関する発言については、同団体への名誉毀損に当たると判断し、罰金２００万ウォン（約２２万円）を言い渡した。ソウル西部地検はこの判決について「刑が軽すぎる」と指摘した。
柳氏も判決後に控訴する考えを示している。