【済州聯合ニュース】韓国南部の済州島と日本の大阪を結ぶ定期航路が開設されてから昨年で100年となったことを記念し、済州道が大阪市生野区に済州島のシンボルで守り神とされる石像「トルハルバン」を寄贈した。同道が29日、伝えた。
済州道によると、同区で28日に除幕式が行われ、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されている「済州チルモリ堂ヨンドゥングッ」(シャーマニズムの儀式)が地元の保存会によって披露された。
済州道の呉怜勲(オ・ヨンフン)知事は、100年前に多くの済州住民が輸送船で日本に渡り、近代化を進める大阪で過ごしながら母国の発展に貢献したとし、「日本で暮らす済州島出身者がいなければ今日の繁栄した済州はなかっただろう」と話した。
生野区の筋原章博区長は、同区は互いの違いを認め、調和して生きていく共生を追求するとし、大阪のコリアンタウンは共生の歴史が息づく現場と評した。
日本が朝鮮半島を植民地支配していた100年前、済州島の住民は長い凶作で生活が困窮し、生活のために輸送船「君が代丸」で大阪に向かった。
急激な産業化による人手不足だった日本に渡る済州島住民は毎年増え、1934年には大阪に居住する済州出身者が当時の済州島人口の25%にあたる約5万人に達した。
日本に渡った済州島出身者らは差別を受けながらも懸命に働き、故郷である済州島の発展のために寄付を惜しまなかった。