韓国軍 地上の緩衝区域での訓練再開見送り=「北に挑発の口実」懸念か

【ソウル聯合ニュース】韓国軍当局は、2018年の南北軍事合意に基づく地上の敵対行為中止区域(緩衝区域)での訓練再開を当面見送る方針を固めた。軍消息筋は28日、2月中に地上の緩衝区域内での砲撃を検討したが、「暫定保留した」と明らかにした。

 北朝鮮は昨年11月に軍事合意の破棄を宣言し、今月5~7日には黄海上の緩衝区域に向けて連日砲撃を行うなど、軍事境界線付近での軍事活動の中止を定めた軍事合意を無効化する行為を繰り返した。韓国軍は緩衝区域について「もはや存在しない」と表明し、海上と地上の緩衝区域で訓練を再開する方針を示していた。

 ただ、北朝鮮は地上の緩衝区域での挑発行為はまだ行っていないため、韓国軍当局は当面、情勢を見守る方針のようだ。北朝鮮側に挑発の口実を与える可能性を懸念したためとみられる。

 韓国軍は北朝鮮が軍事合意の破棄を宣言後、最前線の監視所の復元や、軍事境界線にある板門店の共同警備区域(JSA)での再武装、黄海での砲撃など合意を無効化する行動をするたびに、「行動対行動」の原則で対抗措置を取ってきた。韓国軍高官は地上の緩衝区域での訓練再開について「当面は『行動対行動』の原則を守る」と話した。

 軍事合意では南北軍事境界線から南北にそれぞれ5キロ以内を地上の緩衝区域と定め、砲撃や連隊級以上の機動訓練を禁じている。海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)付近の海上の緩衝区域でも砲撃や艦艇機動訓練を禁止している。

 北朝鮮軍が今月5日に黄海のNLL付近で砲撃を行った際は、韓国軍の海兵部隊が対抗して海上射撃訓練を実施。18年の軍事合意後、初めての緩衝地帯内への射撃を断行した。

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