韓国与党の女性議員襲撃 容疑者の中学生は「偶発的犯行」主張

【ソウル聯合ニュース】韓国与党「国民の力」の裵賢鎮(ペ・ヒョンジン)国会議員(40)の襲撃事件を捜査している警察は、容疑者の供述と事件当時の行動を分析し、犯行動機を明らかにするために全力を挙げている。

 ソウル・江南警察署は26日、現場で拘束された中学生の少年を保護者立ち合いの下で取り調べ、任意提出された携帯電話のメールやSNS(交流サイト)の内容、犯行前の行動などを基に供述内容が事実かどうかを確認していると明らかにした。

 裵氏が襲われたのは公務外の時間だったことから、スケジュールを把握した計画的な犯行かどうかなどを調べている。

 少年は警察の取り調べに対し、事件の2時間前に外出し、裵氏に出会って偶発的に犯行を犯したとし、近ごろうつ病の症状が悪化し、入院するよう指示を受けて待機中だったと主張。犯行に使用した石は普段から持ち歩いていたと供述した。

 関係者の話によると、現場近くにある中学校に通うこの少年は昨年1学期から校内で問題を起こし、教育機関が運営する相談センターでカウンセリングを受けたこともある。病院では「双極性障害」と診断されたという。

 裵氏は25日午後5時20分ごろ、ソウル市江南区のビルの入り口で少年から頭を石で何度も殴られた。

 警察は特殊暴行などの容疑で拘束した少年について、未成年である点や現在の健康状態などを考慮し、26日未明に緊急措置入院とした。

 緊急入院は、精神疾患と推定され自傷他害の恐れがあり、状況が切迫した場合に、精神科医療機関に3日以内で入院させるもの。

 警察は週末まで、携帯電話の通話記録や関係者の話などを基に供述内容が事実かどうかを確認する。緊急入院の期間終了後は保護者の同意を得た上で保護入院の手続きを行い、警察が病院を訪れて取り調べを続ける方針だ。

 警察は、裵氏に対しても入院中の病院を訪れて事情を聞く予定だ。警察は前日にも病院を訪れたが、裵氏の体調が優れず面会を延期した。

 容疑者の少年は2009年生まれで、14歳未満の「触法少年」には当たらず、刑事処罰が可能だ。少年法により、満19歳未満の少年は家庭裁判所または地方裁判所の少年部で事件を審理するが、禁錮以上の刑に当たる罪を犯した場合、動機や罪状などに応じて刑事処分が必要であれば検察に送致することができる。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい