朴槿恵(パク・クンヘ)政権下のいわゆる「国政介入事件」のうち、「文化界ブラックリスト事件」で起訴された金淇春(キム・ギチュン)元青瓦台秘書室長と趙允旋(チョ・ユンソン)元文化体育観光部長官の差し戻し控訴審の判決公判が1月24日、ソウル高裁で開かれ、それぞれ懲役2年、懲役1年2月に減刑された。これにより、国政介入事件の裁判が事実上終結した。
【まとめ】「国政介入事件」の主な関係者の裁判結果(1月24日現在)
ソウル高裁は2人を収監しなかった。これに先立ち、2人は控訴審でそれぞれ懲役4年、懲役2年の判決を受けたが、大法院が一部無罪の趣旨で審理を差し戻していた。金元秘書室長は、大法院に再上告すると表明した。しかし、再上告しても同様の判決が確定する可能性が高い。裁判所は「2人が個人的利益を追求しようと犯行に及んだとは認められず、朴英洙(パク・ヨンス)特別検事の辞任で裁判が遅れ、7年間も裁判を受けた点を酌量した」と説明した。
国政介入事件は朴槿恵元大統領弾劾のきっかけとなり、その後の文在寅(ムン・ジェイン)政権発足にもつながった。文在寅政権発足後も前政権に対する捜査と起訴が続き、朴槿恵元大統領をはじめ、青瓦台の室長、首席秘書官、閣僚、国家情報院長、大企業の会長ら58人が起訴され、うち48人の有罪が確定した。
■朴槿恵政権の中心人物、大半が起訴
朴元大統領は国政介入事件と国家情報院特殊活動費上納事件で2021年に最高裁で懲役20年、罰金180億ウォン(約20億円)が確定した。17年4月に逮捕、起訴されてから3年9カ月後の判決だった。これとは別に起訴されたセヌリ党(現国民の力)公認介入事件でも懲役2年を言い渡され、合計で懲役22年になった。朴元大統領は21年12月に文在寅大統領によって赦免され復権した。
事件の発端となった崔順実(チェ・スンシル、改名後は崔ソウォン)氏は職権乱用、収賄の罪で20年に懲役18年が確定し服役している。崔氏は娘のチョン・ユラ氏の梨花女子大学の不正入学事件でも懲役3年が確定した。崔氏と共謀して大企業を相手にミル・Kスポーツ財団に774億ウォンを寄付するよう強要した疑惑で起訴された安鍾範(アン・ジョンボム)元青瓦台経済調整首席秘書官は懲役4年が確定した。