元大学教授の「慰安婦は売春」発言は無罪 韓国地裁

【ソウル聯合ニュース】大学での講義中に旧日本軍の慰安婦は売春の一種などと発言して名誉毀損(きそん)の罪に問われた柳錫春(リュ・ソクチュン)元延世大教授(68)の判決公判が24日、韓国のソウル西部地裁であった。裁判所は「名誉毀損と見なし難い」として無罪を言い渡した。

 裁判所は「被告の発言は被害者個々人に向けた発言とは見なし難く、朝鮮人の日本軍『慰安婦』全体に対する一般的な抽象的表現」と述べ、「検察側が提出した証拠だけでは当該発言を事実の摘示による名誉毀損と見なし難い」とした。

 被告の講義の全体的な内容や表現、筋道などを考慮すると、被告の発言は慰安婦が求人詐欺のような形で慰安婦になったという趣旨に近いとみられると指摘。発言は通念から外れるもので比喩も適切でなかったとしながらも、「憲法が大学での学問の自由と教授の自由を保護することを鑑みると、教授に対する制限は必要最小限にとどめるべきだ」との見解を示した。

 裁判所は一方で、慰安婦被害者を支援する市民団体「韓国挺身隊問題対策協議会」(「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」の前身)が、強制動員されたと証言するよう被害者らを教育したとする被告の発言については、同団体への名誉毀損に当たると判断し、罰金200万ウォン(約22万円)を言い渡した。

 被告は延世大教授だった2019月9月に大学の社会学の講義で慰安婦は売春の一種などと述べ、慰安婦被害者らの名誉を傷つけたとして在宅起訴された。検察は懲役1年6カ月を求刑していた。

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