論争は長引いた。中国人観光客のうち、帽子をかぶった女性は「私もイギリス人。でも、私の顔が公開されることは望まない」と話した。カバノー氏は「ではなぜ中国国旗を持っているのか」と聞き、彼の手が国旗の方に伸びた。すると、中国人観光客の男性が「なぜ彼女に触るんだ。触るな!」と怒鳴った。驚いたカバノー氏は後ずさりし、「旗に触った」と言った。しかし、男性は「あなたは彼女と同じ年齢ではない。触るな」と叫んだ。
とうとう警察官まで介入することになった。中国人観光客は男性警察官に「カバノー氏は自分たちを撮影した。動画を削除してほしい」と言ったが、警察官は「ここは公共の場所だ」としてこれを拒否した。だが、女性警察官は「携帯電話を下ろせ」とカバノー氏に撮影中止を要求した。さらに、後で動画をカバノー氏のユーチューブ・チャンネルにアップロードしないよう要求した。
このすべての状況は生配信され、カバノー氏のユーチューブ・チャンネルでそのまま公開された。23日現在の再生回数は360万回を超えている。これを見た人々は「一部の人々がこんなにもばかげて見えるとは情けない。強硬な姿勢を貫いてくれてありがとう」「言論の自由を守ろうとしたことに、お疲れさまでしたと言いたい」「私は中国人だが、全面的にあなたの味方だ。彼らが取った行動、特に怒鳴った男の行動は話にならない」などのコメントを寄せている。また、「女性警察官は規則を破った。あなたの権利を擁護するのは正しいことだ」という意見もあった。
カバノー氏は22日、テレビのトーク番組に出演し、「英国では公共の場で撮影することは完全に合法だが、観光客に『ここは中国ではない』と言ったとの理由で『人種差別主義者』だと言われた。人種差別主義者という言葉に、英国の警察は(態度を)軟化させた」と話した。
そして、「私が主張だけしたとすれば、人々は信じなかっただろう。生配信されたので全世界がこの場面を見ることになった。間違いだらけのコメディーだったが、愚かな規則と権威主義、これに対抗しなければならない英国文化について問題を提起した」と語った。
イ・ガヨン記者