韓国大統領室 与党トップに辞任要求=大統領夫人疑惑など巡り対立の様相

【ソウル聯合ニュース】韓国の大統領室が21日、与党「国民の力」の暫定的なトップである韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長に辞任を求めた。韓氏は「やるべきことをやる」とのコメントを出し、辞任要求を一蹴した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領夫人の金建希(キム・ゴンヒ)氏が高級ブランドバッグを受け取ったとされる疑惑を巡って温度差を見せた与党と大統領室が尹大統領の最側近の一人で就任から1カ月も経たない韓氏の去就問題で対立する様相を呈し、4月の総選挙にも少なくない影響を与えそうだ。

 国民の力の関係者らは李官燮(イ・グァンソプ)大統領秘書室長が21日、韓氏に会って辞任の要求を伝えたと明らかにした。背景には金氏の高級バッグ授受疑惑に対する韓氏の対応への不満があるとみられる。疑惑は2022年9月、金氏が自身の事務所で在米韓国人の牧師から高級ブランドバッグを受け取ったとされる場面の隠しカメラの映像が公開されて浮上した。韓氏は疑惑について、「国民の目線」で対応する考えを示している。一部の非常対策委員や議員も金氏の謝罪を主張する一方、金氏を「おとり取材」の被害者であるとしている大統領室は韓氏らの対応に不快感を示している。

 また、韓氏が自ら迎え入れたキム・ギョンユル非常対策委員のソウル市の選挙区からの総選挙出馬、元喜龍(ウォン・ヒリョン)前国土交通部長官の仁川市の選挙区から出馬を公開し、支持したことを巡っては党の公認システムの原則を傷つけたとの指摘が出ている。大統領室は「戦略的な公認が必要なら特別待遇と見られないよう、原則と基準を立てて決めなければならない」との立場を明らかにしていた。大統領室が与党の公認問題について立場を表明するのは異例。

 尹大統領の腹心とも呼ばれた韓氏が金氏の疑惑への対応などで「独り立ち」を続け、与党と大統領室の関係の見直しを試みるか注目される。ただ、総選挙が目前に迫っており、与党分裂の懸念を受け、双方が歩み寄る可能性もあるとみられる。

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