中国経営報によると、上海で富裕層が多い古北地区の高級マンション10~17%下落しました。三聯生活周刊は「売却希望価格は依然として高いが、実際に取引が成立しない状況だ。大幅に値引きしない取引できない」と指摘しました。
海外メディアの見方も同様です。フィナンシャルタイムズは昨年12月21日、「中国政府は北京の住宅市場が堅調だとしているが、現地の仲介業者によると、マンションを売ろうとする人々が攻撃的に価格を下げている」と報じました。同紙が北京の不動産仲介業者20社余りを調査した結果、マンション売買価格は場所によって、2021年のピーク時に比べ10~30%下落したことが分かりました。
■上海一等地でも新築物件売れ残り
中国政府は大都市でのマンション価格下落を防ぐため、昨年9月に大規模な規制緩和を行いました。住宅担保ローンを利用する際、頭金の支払額を時に購入価格の60~80%から30~40%へと大幅に引き下げたほか、過去にマンションを購入した履歴があっても、現在保有していなければ、初めて住宅を購入するケースと同様の優遇を行うことにしました。不動産市場の過熱を防ぐために導入したさまざまな規制を解除したのです。それでも状況は好転する気配はありません。
不動産市場は売却物件であふれています。北京市の売れ残りマンション物件は昨年末時点で16万戸で、22年末に比べ2倍以上に増えたということです。上海では18万戸を超えました。買い手がつかないため、マンションを処分するには上海で10カ月、北京では2年かかるということです。
マンション競売の不成立、売れ残りも珍しくなくなりました。昨年11月初めに上海・浦東地区の中心街で分譲された複合開発物件「世紀前灘天滙」は258戸が発売されたのに対し、成約したのは150戸で、成約率は58%にとどまったということです。昨年10月、裁判所の競売にかけられた杭州市のあるマンションは3回も流札となり、入札価格が半分に下がっても買い手が付かないといいます。
■今年の中国成長率は4%台に低下見通し
日本経済新聞が昨年12月末、世界的な投資銀行や分析機関の専門家25人を対象に調査したところ、中国の今年の経済成長率の平均予測値は4.6%でした。23年の成長率予測値(5.2%)をさらに下回るとの予測です。専門家の多くが不動産価格の下落、消費心理の冷え込みなどを理由に挙げたといいます。
中国は不動産とその関連産業が国内総生産(GDP)に占める割合が25%に達します。家庭の資産で住宅が占める割合は70%にもなるとされます。不動産が低迷すれば消費が影響を受けるのは必至なのです。
崔有植(チェ・ユシク)記者