金正恩は、南に向けては「敵対的交戦国関係」だとして「対南政策の根本的転換」を強調している。北朝鮮は韓国を明示的に「核攻撃」の対象に挙げ、戦争の脅しは虚勢ではないということを示そうとしている。トランプ前大統領が米国大統領選レースで先行しており、北朝鮮としては再度、シンガポール・ハノイで存在した談判を通して事実上の核保有国として認められ、北朝鮮制裁の解除を勝ち取ろうとする可能性が高い。トランプ前大統領は否定したが、米国の政治専門メディア「ポリティコ」は「北朝鮮の核廃棄ではなく核凍結の代価として北朝鮮制裁の緩和などを提供する対北アプローチ法を推進する」とも報じた。米国ミドルベリー国際研究所のロバート・カーリン研究員とジークフリート・ヘッカー教授は今月11日(現地時間)、北朝鮮専門メディア「38ノース」に寄稿した記事で「韓半島の状況は1950年6月前半以来、いつになく危険」だとし「金正恩が、1950年に祖父がそうしたように、戦争をしようという戦略的決定をしたと思う」と記した。戦争の脅しを通して核保有国認定などを狙う北朝鮮の戦術が、米国にもある程度食い込んでいるのだ。
金甲植(キム・ガプシク)統一研究院先任研究委員は、報告書で「韓米日対朝中ロの構図の中で、北朝鮮制裁が無力化され、米国の影響力が衰退していると判断しているらしい」とし「今年4月の韓国総選挙、11月の米国大統領選挙など、大きな政治イベントを控えて韓半島問題の主導権を先占しようとしている」との見方を示した。
キム・ミンソ記者、趙儀俊(チョ・ウィジュン)記者