60代男性警備員に対して一方的に暴力を振るって気絶させ、その動画を交流サイト(SNS)に載せた10代少年が「スパーリングをしただけ」という荒唐無稽な言い訳をした。
【動画】60代男性警備員とスパーリング!? 一方的に暴力を振るう少年
今回の事件は12日午前0時ごろ、京畿道南楊州市の商業ビル内で発生した。加害者は中学校を卒業して高校進学を控えている少年Aで、被害者はビル警備員の60代男性Bさんだ。 Aの友人である少年Cは近くで暴行の様子を動画撮影し、写真交流サイト(SNS)「インスタグラム」に掲載した。
この動画には、AがBさんに対して一方的に暴力を振るっている様子が映っている。AはBさんの顔をつかみ、まるでボールのように蹴ったり、拳を振り回したりしている。Bさんはこれを防ごうと必死に抵抗しているが、一方的に殴られ、とうとう気を失って倒れてしまう。Cや、その他の仲間たちのものと思われる笑い声も聞こえる。
この動画が複数のインターネット・コミュニティー・サイトに拡散されて騒動になると、撮影者のCは状況を釈明する内容の文を掲載した。Cは「オレは止めに行ったんだ。警備員のおじさんがスパーリングをしようとジムに来て、全部閉めて地下駐車場の防犯カメラがある所でやろうと言った。(動画を)撮れと言ったし、録音もした。終わって、うまく行って帰った」と投稿した。
また、「スマホに保存できなかったから(インスタグラムの)ストーリー『チンチン』にだけ公開してすぐに消したのに、なぜこんなことになったんだ」と悔しがり、動画が広まったのは故意ではないとも主張した。ここで言うチンチンとは「親しい友達」の略語で、投稿者が選択した一部の相手にだけ投稿文・写真・動画を公開する方法を意味する。
一方、警察では目撃者からの通報を受け、加害者と被害者の身元を把握している。だが、Bさんが「既にAから謝罪を受けた。あらためて謝罪するという意思も伝えてきた」として、処罰を望んでいないことが分かった。しかし、ネット上では「徹底した捜査と処罰が必要だ」と怒りの声が絶えない。一部には「たとえ和解に至ったとしても、自分のおじいさんに当たる年齢の相手を気絶するまで殴ったのは非常識だ」と指摘する声もある。
ムン・ジヨン記者