【ソウル聯合ニュース】韓国政府は医師不足の解消に向け、今年実施する2025学年度入試で医学部の定員を少なくとも1000人以上から約2000人まで増員するとみられる。超高齢化による医療需要の急増が予想されるだけに、医学部の増員は不可欠というのが政府の立場だ。ただ、大韓医師協会や医大生らは増員に反発しており、同問題を巡る対立はしばらく続きそうだ。
◇2025学年度 少なくとも1千人以上から約2千人
聯合ニュースの取材をまとめると、政府などは医学部の増員を最大3000人まで見込んでいる。
増員の初年度となる25年は少なくとも1000人から2000人まで増やし、現政権の任期内には計3000人まで増員。事実上医学部の定員を現在の2倍近くに増やすとの見方を示す関係者が多い。現在、医学部の定員は06年以降、3058人のままとなっている。
政府は増員規模について、具体的な言及を控えているが基準は明確だ。増員規模は現在直面している最低限の医療や地域医療の崩壊危機を解消できる水準になるべきと、政府は考えている。
◇医師団体と医大生は反対
政府は25学年度の入試に問題がないよう、できるだけ早く増員希望を確定して発表する方針だ。教育部によると、入学定員を反映するためには4月以前に増員規模が確定しなければならない。早ければ今月中に発表するとされるが、旧正月(今年は2月10日)以降になる可能性もある。
医師団体は政府が一方的に増員を推進すれば、集団行動を取るとの立場を示しており、ストライキの可能性も排除できない。
とりわけ、教育需要者の医大生たちはインフラ不足を理由に、すぐに増員できるとした政府の判断に反発している。このまま増員すれば、教育の質が落ちざるを得ないと懸念を示している。