台湾総統選 「頼清徳は台湾独立を推進」「独立は戦争を意味」 馬英九前総統本紙単独インタビュー

 世界の安全保障にとって大きな不確定要素となる台湾総統選が13日に行われる。米中による覇権争いの象徴となった台湾で、親米傾向の与党・民主進歩党(民進党)、親中傾向の最大野党・中国国民党(国民党)のどちらの候補が勝利するかにより、台湾海峡を挟んだ両岸情勢と世界のテクノロジー・貿易・軍事環境が変わるほか、韓半島周辺の安全保障環境も相当な影響を受けることになる。韓日など東アジア諸国だけでなく、世界が今回の選挙に注目している。

【表】台湾総統選 候補者の経歴と対中姿勢

 今月2日までに公表された世論調査によると、政権維持を目指す台湾独立派の頼清徳候補(民進党・現副総統)は、中国の支持に受けて8年ぶりの政権交代を狙う侯友宜候補(国民党・現新北市長)を誤差範囲内の3~5ポイント差でリードしている。世論調査の公表が禁止された選挙戦終盤に入り、民進党と国民党は互いに自分たちが「台湾の守護者」であると主張し、支持を呼び掛けている。大勢を固めたい民進党と終盤の逆転劇を狙う国民党、両陣営の代表的な人物に会い、主張を聞いた。この記事は国民党の「ゴッドファーザー」に数えられる馬英九前総統(73)の単独インタビューだ。

 選挙戦終盤の遊説現場を回っている馬英九前総統は10日、台北市内湖区の執務室で本紙の取材に応じ、「頼清徳氏が政権を獲得すれば、新法を制定し、台湾独立を推進する。台湾独立は戦争を意味する」と述べた。懲役刑を受け保釈下にある陳水扁元総統(民進党)を除けば、馬前総統は台湾で唯一生存している歴代総統だ。馬前総統は在任中の2015年、歴史上初の中台首脳会談となる習近平・馬英九会談を成功させた。

 以下は一問一答。

-選挙後の台湾海峡情勢は懸念されるか。

 「過度に心配はしていない。 しかし、今回の選挙で台湾人は民進党が政権を維持すれば、戦争の危険性が高まるという点に気づいただろう」

-馬英九政権の時代と今の中国が違うことは問題ではないのか。

 「民進党が両岸による交渉の基礎である1992年の共通認識(九二共識・一つの中国の原則を維持し、解釈はそれぞれ行うという1992年の合意)を認めないことが問題だ。九二共識は求同存異(相違点と認め、共通点を追求する)という意味を持つ」(民進党は中国の習近平国家主席が就任後、1992年の共通認識の意味が「一国二制度」に変わったととらえ、受け入れられないとの立場を堅持している。一方、国民党は共通認識に基づき、両岸(中台)対話を再開すべきだと主張している)

-頼清徳候補は記者会見で、「台湾は既に主権も持つ独立国家なので、『独立宣言』は必要ない」と述べた。

 「頼候補は骨の髄まで台湾独立を追求しているが、今の状況では『台湾独立』(宣言)が戦争を意味することを知っているので、発言に気をつけている」

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲台北市内で本紙のインタビューに応じた馬英九前総統/台北=李伐飡特派員
  • 台湾総統選 「頼清徳は台湾独立を推進」「独立は戦争を意味」 馬英九前総統本紙単独インタビュー

right

あわせて読みたい