【ソウル聯合ニュース】韓国外交部が、尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領が２０２２年に訪米した際に低俗な発言をしたと報じた地上波テレビ局のＭＢＣを相手取って起こした訴訟で、ソウル西部地裁は１２日、ＭＢＣ側に訂正報道を命じる判決を言い渡した。
裁判所は、判決の確定後最初に放送されるニュース番組の冒頭、キャスターに訂正文を通常の速さで１回朗読させ、その間見出しと本文を通常の番組字幕と同じ字体と大きさで表示し続けるよう命じた。
ＭＢＣは、尹大統領が２２年９月に訪問先の米ニューヨークで「国会でこの野郎どもが承認してあげなければ、バイデンは赤っ恥だ」と発言したと報じたが、大統領室は「バイデン」ではなく発音が似た別の言葉だったとし、「国会」は米議会ではなく韓国議会を指したものだと釈明していた。
外交部はこの報道を巡って言論仲裁委員会に調停を申し立てたが不調に終わり、同年１２月にＭＢＣを相手取って訂正報道を求める訴訟を起こした。
ＭＢＣ側はこの映像について大統領室に確認を取り、大統領室も発言を事実上認めたため報じたとする立場を示していた。
裁判所は報道の真偽を確認するための音声鑑定を原告と被告に提案。双方が受け入れて鑑定が行われた。
しかし、鑑定の専門家も問題の部分について「鑑定不可」とする意見書を提出し、発言の真偽は法廷でも明らかにならなかった。