【ソウル聯合ニュース】韓国政府は11日、徴用被害者の遺族が日本製鉄(旧新日鉄住金)を相手取って損害賠償を求めた訴訟で原告への賠償金支払いを命じた判決が確定したことを受け、日本企業に代わって政府傘下の財団が賠償金を支払う「第三者弁済」による賠償金支給を推進するとの立場を示した。
外交部の任洙ソク(イム・スソク)報道官は同日の定例会見で、「判決結果に従い、引き続きこのような(第三者弁済による)支給を行うという方針に変わりはない」と述べた。
大法院(最高裁)はこの日、徴用被害者の遺族が日本製鉄を相手取って損害賠償を求めた訴訟の上告審で同社の上告を棄却し、原告に総額約1億ウォン(約1100万円)の賠償金支払いを命じた下級審の判決が確定した。
韓国政府は昨年末から、判決が確定した被害者側に対して第三者弁済により賠償金と遅延利子を支払う方針を示してきた。
だが、第三者弁済を行う「日帝強制動員被害者支援財団」が確保した財源は鉄鋼大手・ポスコが拠出した40億ウォンと少額の寄付金程度で、新たに勝訴が確定した被害者に賠償金を支払うには不十分だとの声が絶えない。
これに対し、任報道官は「民間の自発的な寄与などを含め、財団の目的事業に関する財源をさらに拡充できるよう努力している」というこれまでの立場を改めて示した。
一方、先ごろ賠償判決が確定した日立造船の被害者側が、同社が賠償の強制執行停止のために裁判所に預けた供託金を賠償金として確保するためソウル中央地裁に差し押さえを申請したことについては「承知している」とした上で、供託金の扱いは原告側が判断する問題であり、具体的な言及は控えると述べるにとどめた。