【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)は11日、定例の金融通貨委員会を開き、政策金利を年3.50%に据え置いた。昨年2月から8会合連続の据え置きで、1年にわたり3.50%を維持することになる。
韓国銀行は2021年8月、0.50%だった政策金利の引き上げを開始し、23年1月までに計3%利上げした。その副作用で不動産のプロジェクトファイナンス(PF)を中心に不良債権化のリスクが高まり、中堅建設会社の泰栄建設の流動性危機といった事態も起きている。
また、韓国銀行は今年の経済成長率を2.1%、政府は2.2%と見込むが、民間シンクタンクと金融機関からは、高金利と物価高による消費低迷を要因に昨年並みの低成長(韓国銀行と政府の推定で1.4%)にとどまるとの見方が出ている。これらは利下げの理由になり得る。
一方で、物価と家計債務に対する不安がくすぶっている。消費者物価の上昇率は昨年12月まで5カ月連続で3%台と高止まりし、銀行の家計向け貸出残高は昨年4月以降、増加が続いている。利下げに踏み切るのは容易でない。
こうした状況への対応として、韓国銀行はひとまず金利を据え置いたまま物価や家計債務、米国の金融政策などを見守ることにしたようだ。
韓国と米国の金利差は最大2.00%(米国5.25~5.50%、韓国3.50%)と、かつてない大幅な開きとなっており、これ以上の金利差の拡大は負担となる。