■スープレックスの練習を続ける恐ろしい姉御
再び平沢に話を戻そう。米国や日本とは違い韓国には女子プロレスラーがいない。しかしその状況も今後変わりそうだ。TAJIRIのワンポイントレッスンに参加した15人の練習生のうち5人が女性だった。ボーイフレンドと共に道場にやって来たイ・イェジンさん(34)は「運動を兼ねて雰囲気を体験してみたかった」と生まれて初めてプロレスの世界に足を踏み入れた。イさんは受け身やファイティングポーズなどの練習が終わった直後、体重が3倍はありそうな巨体の米国人オメルタと息を合わせて彼女を床に投げ飛ばす珍しい練習を見せてくれた。イさんは「今後も続けたい」と意欲を示した。
昨年10月にWWE女子王座となった韓国系カナダ人レスラーのゲイル・キム(46)を招待し、興業面も徐々に前面に出しつつある。ソウル市内のある幼稚園で英語講師をしているメロディさん(35)は「コスプレを楽しんでいると互いに少しずつ接点もでき、技術にも興味を持てた。将来のデビューを目標に去年の冬から練習を続けている」「相手をつかんで持ち上げ、後ろに投げ飛ばすスープレックスのような難易度の高い技術が好きだが、幼稚園の園児たちにたまにローリングなどの基本動作を教えることもある」と述べた。彼らは今この時点で間違いなく常人とは違っている。
平沢=チョン・サンヒョク記者