韓国の児童94%は運動不足…体力測定の対象拡大へ

 韓国の児童生徒は世界で最も運動をしない。またコロナ渦当時のステイホームで体力はさらに低下し肥満も増えた。このような状況を受け、これまで小学校5年生以上の児童生徒を対象に実施されてきた体力評価について、韓国政府は今後小学校3年生と4年生も対象とすることを決めた。小学校1年生と2年生の教科に「体育」を新たに設け、夏と冬の休みにはスポーツキャンプを開催する。勉強とスマートフォンばかりの児童生徒たちにより多く運動をさせ、体力を向上させることが狙いだ。

【グラフ】主要国における「運動不足」の児童生徒の割合

 韓国教育部(省に相当、以下同じ)は12月26日、これらの内容を定めた「第3次学校体育振興基本計画(2024-28)」を発表した。

 教育部は小中高校で毎年1回実施する「学生健康体力評価(PAPS)」の対象を2026年以降は小学校3年生から高校3年生へと拡大する。かつて「体力テスト」と呼ばれたPAPSは現在小学校5年生から行われている。以前のように大学入試や高校入試の成績には反映せず、一部の学校でのみ体育の内申に反映されるという。PAPSの成績が低い児童生徒には必要な運動プログラムを提供する。韓国政府は来年から一部の学校で小学校3年生と4年生を対象にPAPSを試験的に実施し、2026年からは全ての小学校3年生と4年生へとその対象を拡大する方針だ。

 種目は文化体育観光部が成人を対象に行っている健康体力評価の種目と同一にする。今は成人の種目と少し違っているが、全く同じにすれば子供たちは大人になるまで自らの体力の変化を明確に把握することができる。また現在PAPSで4-5等級の低体力と診断された児童生徒にのみ体力教室への参加を促しているが、今後は希望する全ての児童生徒が参加できるようになる。

 教育部は小学校1年生と2年生の科目に「体育」を新たに設けることも決めた。現在小学校1年生と2年生は「楽しい生活」と呼ばれる科目で体育、美術、音楽を並行して学習しているが、教師によって体育の内容はかなり異なっている。そのため体育を教科として分離することで必要な時間を確保することにした。

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