1971年に義務教育実施に必要な財政の確保、そして地域ごとにバランスの取れた発展を目指して地方教育財政交付金制度が導入された。当時は1クラス当たりの児童生徒数が70-80人に達していたが、それが今は25人ほどに減少した。国の予算は50年前と比較にならないほど規模が大きくなったが、法律は変わっていないため、予算が一気に増える構造が今も続いているのだ。税収が余れば大学など資金面で苦しい他の教育分野に回すか、少子化対策、消滅集落対策、障害者や高齢者など弱者への支援に使うのが普通ではないだろうか。
ところがこれを妨害しているのが市道教育監(教育長に相当)や複数の教員団体など教育分野の既得権者たちで、その壁は今も非常に高く堅固だ。政府は2022年末、交付金の一部で大学を支援する特別会計新設を定める法律の制定方針を発表したが、これに野党が反発し「弟の金を取り上げて兄を食わせようとするのか」などと批判した。最終的に大学への教育税の振り向けは政府案の3兆ウォン(約3300億円)から1兆5000億ウォン(約1650億円)へと半減されることで何とか国会で成立した。
このようなその場しのぎの対応では教育交付金の根本問題は解決できない。何よりも導入から半世紀が過ぎた税収との連動の仕組みを国の財政の現状に見合った形で直ちに見直すべきだ。韓国開発研究院(KDI)は地方教育財政について「必要な費用を算出した上で予算を配分するか、交付金を国内総生産(GDP)と学齢人口に連動させて算出すべきだ」としてその方法も提示した。ところが教育庁、教員団体、父兄の一部はこれに反対している。現在の教育関連予算算定の仕組みを今後も維持した場合、韓国は二流・三流国家に転落する恐れがある。少子高齢化の流れを反映し、教育財政を効率化する方策を一日も早く見いださねばならない。
キム・ギヨン前平沢教育支援庁教育長