9日、食用のための犬の飼育・食肉処理を禁止する「犬食用禁止法」が韓国国会の本会議で可決されるや、主な外信各社もこれを直ちに報道し、大きく扱った。外信各社は、犬肉を食べる文化は韓国で既に絶えつつある伝統だと伝えた上で、今回の法案は党の垣根を越えて支持を受けたことを集中的に取り上げ、強調した。
米CNNテレビは「今回の立法により、国全体で長い間、論争となっていた犬の肉を食べる伝統が終わった。韓国の分裂した政治的背景にもかかわらず、同法案は超党派的な支持を得ている。韓国の急速な産業化の過程において、この数十年間で犬の肉を食べることに対する姿勢がどのように変化したかをよく示している」と報じた。CNNは特に、韓国のあるドッグカフェからこれをリポートし、韓国で犬を食用ではなくコンパニオン・アニマル(伴侶動物)として考える文化がすでに深く定着していることを強調した。
ロイター通信も「動物福祉に対する支持が高まりつつある中、今回の法案は問題になっている数百年の(犬肉を食べる)慣行を終わらせた。この法案は珍しく超党派的な支持を受け、圧倒的賛成多数で可決した」と語った。
BBC放送は「『補身湯(ポシンタン=犬鍋)』は韓国の一部高齢者の間で珍味と考えられているが、犬肉は過去数十年間にわたり人気を得られず、特に若者はこれを忌み嫌っている。同法は韓国で数世紀にわたって続いてきた犬肉を食べる慣行を終わらせることを目標としている」と伝えた。BBCはソウル市鍾路区にある補身湯店を訪れ、80代の客にインタビューした後、犬食文化に反対する20代の学生にもインタビューし「犬食用禁止法に対する意見は世代によってはっきり分かれている」と報じた。
米紙ニューヨーク・タイムズは「韓国で犬の肉は一時期、一般的な食材だったが、20世紀後半に所得が増え、ペット飼育や動物福祉に対する関心が徐々に高まったため、このような慣行はますます避けられるようになった。前政権ではこのような慣行の終息について十分な支持を得るのに失敗したが、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領はこれを成功に導いた」と報道した。
ウォール・ストリート・ジャーナルは「韓国はここ数年間、華やかなポップスター、革新的な技術、トレンディーな食を通じてグローバルなソフトパワーを築いてきた。しかし、数十年間にわたり犬食文化は社会的な苦痛であり、外部の人々の攻撃対象になってきた。1988年のソウル・オリンピックをきっかけに、韓国が最も注目される時期になるたび、国際的な注目を集めてきた」と分析した。
AP通信は「犬食用禁止法は可決されたが、犬食文化問題は依然として論争の火種として残っている」と報じた。同通信は「激怒している一部の犬飼育業者たちは法案の合憲性に異議を唱え、抗議集会を開く方針だと言っている。これは禁止令を巡って熱い論争が続いているというシグナルだ。最近の調査によると、韓国人の半分以上が犬食用禁止を望んでおり、大多数は『もう犬肉は食べない』と答えていることが分かったが、3人に1人は消費するかどうかに関係なく、依然として犬食用禁止に反対している」と伝えた。
リュ・ジェミン記者