【ソウル聯合ニュース】韓国のサムスン電子が9日発表した2023年通期の連結決算(速報値)によると、本業のもうけを示す営業利益は6兆5400億ウォン(約7168億1400万円)で前年比84.9%減少した。売上高は同14.6%減の258兆1600億ウォンだった。
通期の営業利益が10兆ウォンを下回ったのは、リーマン・ショックに見舞われた08年(6兆319億ウォン)以来15年ぶり。
半導体の業績不振の影響が大きく、半導体事業を担うデバイスソリューション(DS)部門は7~9月期までに12兆ウォン台の累積赤字を計上した。
ただ、10~12月期には業績改善の兆しがみられた。
10~12月期の営業利益は前年同期比35.0%減の2兆8000億ウォン、売上高は67兆ウォンだった。
営業利益を四半期別でみると、1~3月期の6400億ウォンから4~6月期の6700億ウォン、7~9月期の2兆4400ウォンに続き、3期連続で増加した。
しかし、10~12月期の営業利益は韓国金融経済情報メディアの聯合インフォマックスが取りまとめた市場予想の3兆9608億ウォンを29.3%下回った。
事業部別の業績は公開されていないが、半導体メモリー市場の回復によりDS部門の赤字が縮小し、業績改善に寄与したとみられる。
同部門の四半期別の営業損失は1~3月期の4兆5800億ウォン、4~6月期の4兆3600億ウォン、7~9月期の3兆7500億ウォンに続き、10~12月期は1兆~2兆ウォン台に減少したと見込まれる。
半導体メモリーの減産効果が表れ、過剰在庫が一掃されて主力である半導体の業績を押し上げている。
証券市場が予想した他事業部の10~12月期の営業利益推定額は、デバイスエクスペリエンス(DX、モバイル・家電)部門が2兆ウォン台、サムスンディスプレー(SDC)が2兆ウォン前後、ハーマン(自動車電装)が4000億ウォンなど。
SDCはスマートフォンのフラッグシップモデルや24年の新製品の需要に支えられ、堅調な業績が予想される。
一方、DX部門はテレビ・家電の需要回復の遅れや競争激化、スマホの出荷減少などにより前四半期比で減益が見込まれる。