一日一食の被災者、現地入りしない首相…能登半島地震発生から1週間、理解に苦しむ場面の数々

 日本の石川県能登半島でマグニチュード(M)7.6の大地震が発生してから七日が過ぎた。被災地では断水・停電が続いている上、道路の復旧も遅れ、被災者たちが寝泊まりしている一部の避難所には食料など必要物資の供給が円滑に行われていないことが分かった。被災者たちが一日一食のおにぎりに頼るという劣悪な状況が長引いているのだ。こうした中、日本の野党の政治家が被災地を訪問し、1食分の食事を提供された事実が明らかになり、日本の世論が沸き立っている。一方で、実際に現場の指揮を取るべき岸田文雄首相は被災地に一歩も足を踏み入れていない。

【写真】地震で倒壊したビルや家屋…本紙東京支局長が撮影した輪島市内の様子

 7日付の朝日新聞など日本メディアによると、石川県には6日夜になっても6万6000世帯が断水、2万3000世帯が停電しており、およそ370カ所の避難所に3万人以上の被災者が避難している。しかし日本政府は今週になってようやく今回の地震を激甚災害に指定することになり、47億4000万円の支援を閣議決定する予定だ。激甚災害とは、韓国の災難(災害)地域の指定に相当するもので、地震や水害など膨大な被害が発生した際、市町村単位で地域を指定して災害復旧作業に必要な資金を支援する制度だ。

 最大の被害地域である石川県輪島市につながる道路のほとんどは、陥没や破損、亀裂などによって寸断され、物資の供給が円滑にいかない状況だ。日本政府は物資の供給と緊急復旧のために自衛隊1万人を編成したが、今も半数以上が現地に入ることすらできず、被災地の外側で待機している。2016年の熊本地震の際には自衛隊2万5000人を編成したが、それに比べて規模も小さい。

 少数政党「れいわ新選組」の山本太郎代表は、こうした執権与党の対応の遅さに抗議し、5日に能登半島を訪問したが、逆に世論の逆風を浴びている。国会の議席が数議席の少数政党代表で国会議員の山本氏は、被災地を訪問すると、SNS(交流サイト)で「電話ではなく現場の声を直接聞く必要があるため、レンタカーで能登に入った」とつづり、現地で民間非営利組織(NPO)からのヒアリングを実施したことを報告した。しかし問題は「NPOから晩ごはんの炊き出しに誘われ、凍える寒さの中、カレーをいただき車の中で眠った」という部分だった。

 「危険な現場を訪れた野党代表」という世論を期待していたのだろうが、全く別の反応が起こった。日本のネットユーザーたちは「食べ物が不足している被災地であなたが1食分食べたら他の人が食べられない」「被災地に入るボランティアは自分の食料を自分で持参するのが原則」などと非難した。自民党所属の岡田ゆうじ・神戸市議は「不要不急な用では被災地に入るべきでない」とした上で「それにもかかわらず山本代表は被災者用の炊き出しを食べた」と非難した。

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  • ▲地震による被災者の避難所となっている石川県輪島市門前町の市立西小学校体育館で3日に朝食として被災者らに配られたおにぎりなどの食料/成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長

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