冬の風物詩「ヤマメ祭り」 韓国・華川で6日開幕

【華川聯合ニュース】韓国を代表する冬のイベント「華川ヤマメ祭り」が6日から28日までの23日間、北部の江原道華川郡で開催される。

 人口2万4000人の小さな町は冬になるとグローバルなフェスティバル都市に変身し、氷に覆われた川を泳ぐヤマメの氷上釣りやつかみ取りが楽しめる。

 ヤマメ祭りは華川郡と住民の努力により、期間中に100万人以上が訪れる世界的なイベントに成長した。

◇人口2万4千人の軍事都市 冬には100万人以上が訪問

 世界唯一の分断国家である韓国で北朝鮮との軍事境界線に近い華川郡の人口は、わずか2万4000人。面積の90%以上を山と河川が占めるうえ、軍人が住民より多い軍事都市で産業基盤もない。

 低迷していた地域経済を立て直すため、華川郡は全国で最も早く氷が張る厳しい寒さと各種の規制により守られている手つかずの自然に答えを見い出した。「渓谷の女王」と呼ばれるヤマメに注目し、観光客が集まる冬祭りを開催することを決めたのだ。

 初年度の2003年には22万人が来場し、05年からは14年連続で100万人以上が訪れるという記録を打ち立てたヤマメ祭りは、冬の祭りとして初めて、文化体育観光部の「グローバル育成祭り」に選ばれた。

 しかし、20年には大雨や異常気象の影響で観光客が半減。21年と22年には新型コロナウイルスの感染拡大により開催が中止された。3年ぶりに再開された昨年は131万人が訪れ、危機を乗り越えた。 

 06年からはプログラムの体験料を払えば農産物や特産品を半額程度で購入できる商品券を発行し、10億ウォン(約1億1000万円)以上が流通するなど地域経済の活性化にも貢献した。

 華川ヤマメ祭りが国際的に有名になったのは、09年に米タイム誌が「今週のニュース」として祭りを報じてからだ。11年には米CNNが旅行ガイドブック「ロンリープラネット」を引用して華川ヤマメ祭りを「冬の七不思議」と紹介し、一気に知名度が高まった。

◇成功の鍵はコンテンツと情熱 安全最優先で観光客誘致

 会場には今年も全国各地から160トンのヤマメが集められ、氷上釣りやつかみ取りが楽しめる。

 氷上釣りは平日午前9時から午後6時まで、週末は午前8時半から午後6時まで運営される。祭りのクライマックスであるヤマメのつかみ取りは、期間中毎日午前10時から午後4時まで1時間ごとに7回実施される。

 毎年10万人以上訪れる外国人のため、専用の釣り場と休憩所も設けられる。

 華川ヤマメ祭りは地域経済活性化のため、滞在型の祭りを目指している。

 地域の宿泊施設を利用すれば、金額に応じて夜釣りやパークゴルフ場への無料入場サービスも受けられる。数万個のランタンがともるランタン通りや氷の彫刻広場のほか、フィンランドのロバニエミにある「サンタクロース村」からサンタと妖精のエルフが会場を訪れて彩りを添える。

 観光客の誘致とともに、華川郡が最も力を入れるのが会場の安全対策だ。期間中には毎日氷を点検し、ポンプ施設や余水路、排水路などをリアルタイムで確認できる監視カメラを設置する。

 今年は例年より少し早い昨年11月30日に初めて結氷が観測され、12月3日には川の大部分に氷が張った。ただ、祭りを前に暖かい天気が続いており、釣り場の氷穴の間隔を2メートルから4メートルに広げることが決まった。気象状況に応じて間隔をさらに広げる予定だ。

 今年の氷上釣り場の面積は、計6万1654平方メートルに上る。

 華川郡の崔文洵(チェ・ムンスン)郡守(郡の首長)は、「最も重要な安全に重点を置いて楽しい祭りを作るため、開幕日まで緊張の糸を緩めない」として「1年間待ってくれた観光客に最高の冬祭りを届けたい」と力を込めた。

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