2024年元日の朝、会社員のイムさん(55)はメッセンジャー・アプリケーション「カカオトーク」の「カトク」「カトク」という着信音で目が覚めた。数十人が入っている同窓生のグループトークルームや職場の同僚のグループトークルームなどから相次いでメッセージが届いたのだ。一人が「あけましておめでとうございます」とデジタル年賀状や初日の出の写真を送ると、他の人たちも「あけましておめでとうございます」「新年会をしましょう」と相次いで返信する。新年のあいさつがあまりにも多いため、あるグループトークルームからは、何の返信もせずに退室してしまう人もいた。イムさんは「オンラインでやり取りされる新年のあいさつは公害並み。形式的なあいさつだが、返信しないと礼儀知らずだと決めつけられたり、オフラインの集まりに呼んでくれなかったりするのでは…と思ってしまい、返信しないわけにはいかない」と語った。
オンラインの新年のあいさつを、ポータルサイトや交流サイト(SNS)などで聞く人もいる。大学生のコさん(23)は「チャットGPTに新年のあいさつをいくつか教えてもらったので、真心や誠意がこもっていなくて申し訳ないという気もしたが、両親・友達・先輩や後輩など相手に合わせて送った」と話した。
これについて、延世大学心理学科の李東亀(イ・ドングィ)教授は「大人数のグループトークルームにデジタル年賀状を送ったり、新年のあいさつをしたりすることは、返信やあいさつを強要する『集団圧力』として作用し、負担になる恐れがある。グループトークルームの参加者がお互いに気を遣わないようにルールを決めたり、親しい個人同士だけで新年のあいさつを交わしたりする方法などが考えられる」と述べた。