ヒットの公式を詰め込んだのに酷評の嵐…700億ウォン投じたネトフリ韓国ドラマ『京城クリーチャー』

 ストーリーに入り込めないので、CGやセットにしばしば目が向く。新しく作られた気配がぷんぷん漂う巨大なセットは、番組に自然に溶け込んではおらず、技術力では『Sweet Home』の怪物にひけを取らない最先端CGもまた、1940年代という舞台と調和せずに浮き上がっている。

 『京城クリーチャー』は、全10話中7話を12月に先行配信し、残る3話を1月5日から配信する予定だ。『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』のようにパート1とパート2に分けて配信することで、既存の視聴者を捕まえておきつつ話題性を引っ張り続けようとする戦略だ。だが、7話に圧縮してもいい内容を引き伸ばし編集することで、OTT(オンライン動画配信サービス)ドラマの利点であった「スピード感」が失われている。

■海外では「新鮮」という好評も…日本では?

 韓国国内の酷評と比べると、海外では「新鮮」という反応が出ている。日帝強占期が舞台の時代劇に慣れ親しんでいない外国人であれば、目新しく映ってもおかしくない。逆に、日本の映画評論サイト「Filmarks」では評点2.5(5点満点)にとどまり、悪質コメント同然の酷評が付いていた。「不自然な日本語だから笑いしか出ない」「韓国がまた歴史を歪曲(わいきょく)しようとしている」「パク・ソジュンのファンだったけど失望した」等のコメントが多数を占める。なお、少数意見ではあるが「この作品を通して731部隊の存在を知った。悲劇が二度と繰り返されないことを願う」といった前向きな反応もあった。

 韓国は昨年、ネットフリックスのコンテンツ生産基地といえるほど多くのオリジナルコンテンツを制作した。映画・ドラマ・バラエティーを合わせると計28本に上り、2週間に1本のペースで新たな作品が登場した。『配達人 ~終末の救世主~』『セレブリティ』をはじめシーズン2が出た『D.P. -脱走兵追跡官-』『Sweet Home』に至るまで、話題にはなったが完成度の面では失望させられる作品が多かった。大衆文化評論家のチョン・ドクヒョンは「韓国的なカラーは徐々にぼやけていき、ネットフリックスの傾向に合う刺激的なコンテンツばかり作り出されて、韓国国内の視聴者から高い評価を得られていない」とし、「ネットフリックスの韓国コンテンツ制作は前向きなことばかりなのかどうか、再度考えてみるべき」と語った。

ペク・スジン記者

【写真】『京城クリーチャー』主演女優ハン・ソヒに鼻整形疑惑

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