【ソウル聯合ニュース】韓国大法院(最高裁)が28日、徴用被害者の遺族らが三菱重工業と日立造船を相手取って損害賠償を求めた訴訟の上告審で原告勝訴の判決を言い渡したことに関連し、日立造船を訴えた原告の一部が29日、日立造船が裁判所に収めた供託金を賠償金として受け取る意向を明らかにした。
日立造船は同じ訴訟の二審で賠償を命じられたことを受け、2019年1月に強制執行の停止を申し立て、6000万ウォン(約650万円)を裁判所に供託した。
大法院が日立造船に命じた同被告への賠償金は5000万ウォンと遅延利子で、被告側は判決を根拠にこの供託金の受け取りを求める手続きを進める計画だ。
被告の代理人を務める弁護士は、受け取りが実現すれば「(徴用訴訟で)日本企業が自発的に出した金銭が被害者に渡される初のケースになる」とし、「事実上の賠償が日本企業によってなされるという点で意味がある」と話した。
ただ、この供託金は強制執行停止のために収めたものであり、被害者への賠償金とは言えず、裁判所側が原告側の請求を受け入れたとしても、日立造船側が異議を申し立てる可能性もある。
また、遅延利子を含めると同原告が日立造船から受け取る金額は6000万ウォンを超えるという。
同原告は、不足分については韓国政府傘下の財団が日本企業に代わって賠償金などを支払う政府の解決策の受け入れを前向きに検討する意向であることが分かった。