【ソウル聯合ニュース】韓国軍の将兵向け教材で独島を領土紛争地域と記述した問題で、申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官は29日までに、記者団に「すべての責任は私にある」として、「責任を取らなければならない部分があれば責任を取り、謝罪もする」と述べた。
国防部が部隊に配布した教材は「朝鮮半島周辺では中国、ロシア、日本など複数の強国が鋭く対立している」としたうえで、「これらの国は自国の利益のため軍事力を海外に投射し、釣魚島(日本名・尖閣諸島)やクリール諸島(北方領土と千島列島)、独島問題などの領土紛争も進行中で、いつでも軍事的な衝突が発生し得る」と記述している。これに対し、独島を尖閣諸島やクリール諸島と並べ、領土紛争が進行中の地域と明記したことは、領土問題は存在しないという政府の立場に反するとの批判が沸騰。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は厳しく叱責し、早急に是正するよう指示した。
申氏は「(尹大統領から)叱責を受けた」とし、「(大統領は)そのような記述があったことにあきれていた」と伝えた。
教材は計4万冊が発刊されるが、このうち2万冊が部隊に配布された。国防部は回収した教材すべてを廃棄し、独島関連記述を修正して再発刊する方針だ。申氏は「将兵たちが(独島に関連し)正しい考えを持つよう全量を回収した」として、「長官として事前にしっかり確認すべきだったが、確認できなかったのは私の不手際」と改めて謝罪した。
教材の制作過程を監査することに関しては「処罰や問責ではなく、確認のための監査」とし、教材の制作システムを点検する考えを示した。
国防部は5年に一度教材を改訂している。2019年に発刊された教材は民間の専門家らが執筆したが、今回改訂された教材は現役の軍人や軍属らが執筆した。