俳優イ・ソンギュンさんの死を検察のせいにする韓国野党

警察による違法薬物事件捜査を検察の被疑事実公表のせいに

 違法薬物使用容疑で警察の捜査を受けていた俳優イ・ソンギュンさんが死去すると、野党関係者らは突然、「検察が被疑事実を公表したせいだ」と矛先を検察に向けた。韓国政界からは「イ・ソンギュンさんの死を政治的に利用すれば逆風が吹くだろう」批判の声が上がっている。

【写真】故イ・ソンギュンさんの遺影…もはや見ることのできないほほ笑み

 最大野党・共に民主党の黄雲夏(ファン・ウンハ)議員は28日、交流サイト(SNS)「フェイスブック」に「過剰捜査、ポータルサイトのクリック数の奴隷になったあおり報道がついに悲劇を招いた。検事はマスコミの性質をたくみに利用し、自身が正当な捜査をしているという世論作りをしている」と投稿した。また、同党の李在明(イ・ジェミョン)代表はSNSに「国家捜査権力によって罪のない国民がまた犠牲になった」と投稿したが、後に削除した。盧雄来(ノ・ウンレ)議員は「検察と警察の強圧的な捜査方式がこれ以上繰り返されてはならない」と述べた。

 曺国(チョ・グク)被告も同日、自身が元法務部(省に相当)長官だった際に検察の被疑事実および捜査状況公表を大幅に制限した同部規定に言及、「検察改革の一環としてこの規定を作った時、マスコミがどれほど私を非難したことか。そして、韓東勲(ハン・ドンフン)長官(21日に辞任)がこの規定を無力化させた時、マスコミがどれほど称賛したか、覚えている」と述べた。この前日の27日には「ひとごととは思えない。怒りがこみ上げてくる」とも投稿していた。文在寅(ムン・ジェイン)前大統領もイ・ソンギュンさんの死を悼むメッセージを出し、「捜査機関とマスコミの行動が自死の原因だ」と述べた。こうした人物たちのほとんどはさまざまな疑惑で検察の捜査線上に浮上していたり、起訴されて裁判を受けたりしている。

 しかし、イ・ソンギュンさんの事件は仁川警察庁の所管で、3回にわたるイ・ソンギュンさんの取り調べも仁川・論ヒョン警察署で行われた。文在寅政権時代の2021年に検察・警察捜査権調整で検察の違法薬物捜査範囲が大幅に縮小され、「違法薬物使用」に関する犯罪は検察の直接捜査範囲から外れた。新党「新しい選択」のイ・ジェラン報道官は記者会見で、「このようなことすら『検察の独裁』だとしてフェイクニュース拡散に利用する、共に民主党の一部の政治扇動は厳しい批判を受けるべきだ」と述べた。

チュ・ヒヨン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲27日、ソウル市鍾路区のソウル大学病院葬儀場に設けられた俳優イ・ソンギュンさんの祭壇。写真=news 1

right

あわせて読みたい