流動性危機の中堅・泰栄建設 財務構造改善を申請=韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国の金融業界によると、不動産事業のプロジェクトファイナンス(PF)による流動性危機に陥っている中堅建設会社の泰栄建設が28日、ワークアウト(財務構造改善)を申請した。

 PFは事業から生み出される収益を返済の原資とする融資手法。同社のワークアウト申請は、満期が到来したPF融資の返済問題によるものだ。ソウル市城東区でのオフィス開発事業に関する480億ウォン(約50億円)規模のPF債務の満期が28日だった。

 ワークアウトは自力での債務返済が不可能な企業を対象に実施するもので、債権団の75%以上の同意があれば開始される。泰栄建設の主な債権銀行は政府系の韓国産業銀行、KB国民銀行など。ワークアウトに入れば、債権団の管理下で融資の満期調整、新規資金支援などを受けることになる。

 施工能力ランキングで16位の泰栄建設がワークアウトを申請したことで、業界では不動産PFを巡る危機感が広がる。現在のような分譲住宅市場の低迷は2024年も続くと見込まれ、22兆8000億ウォン(8月末現在)に上るとみられるPFの偶発債務が現実の債務になりかねないとの懸念が強まっている。

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