違法薬物使用容疑で警察の捜査を受けていた俳優イ・ソンギュンさん(48)が27日、死亡しているのが発見されると、最大野党・共に民主党の熱狂的な支持者たちは「韓東勲(ハン・ドンフン)責任論」を持ち出した。韓東勲氏は韓国法務部(省に相当)長官を21日に辞任し、与党・国民の力の非常対策委員長に就任している。
イ・ソンギュンさんに対する捜査は警察で行われ、検察は既に共に民主党による「検察捜査権完全剥奪法」で捜査指揮権を失った状態であるのにもかかわらず、同党の熱狂的な支持者たちはかたくなに「違法薬物との戦争」をイ・ソンギュンさんの死の原因に挙げた。これに加え、元法務部(省に相当)長官の曺国(チョ・グク)被告が検察と警察をひとからげにして名指しし、「怒りがこみ上げる」と交流サイト(SNS)に投稿して同調した。
イ・ソンギュンさんの死が報道された27日、李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表のファンサイト「在明の村」やインターネット・コミュニティー・サイトの同氏関連掲示板などには、韓東勲委員長と韓国政府・与党を批判する投稿が数十件寄せられた。
ある李在明代表支持者は「韓東勲の無理な違法薬物捜査は梨泰院(雑踏)事故も引き起こしたし、イ・ソンギュンも殺した」と主張、「この狂った2チク(尹錫悦〈ユン・ソンニョル〉大統領の支持者を指す蔑称〈べっしょう〉)のヤツらめ」と投稿した。
この投稿に対し、他の支持者たちは「殺人政権、検察とマスコミのせいだ」「無理な検察捜査がイ・ソンギュンを殺したのだ」「検察は間接殺人者」などのコメントを寄せ、同調している。
さらに、別の支持者は「イ・ソンギュンを見て、『我らの村長様(李在明代表)はどれほどつらかったことか』と思った。検事たちは答えを決めておいてから捜査する。決まった答え通りにならなければ、人が生きていけなくするようだ。絶対に李在明を守ろう」と書いた。
支持者たちは「いったい村長様はどれほど強靱(きょうじん)なメンタルをお持ちなのか」「李在明は絶対に我々が守らなければならない」「金建希(キム・ゴンヒ=尹大統領夫人)疑惑を隠そうと、有名俳優を殺したのだ」「イ・ソンギュンの死は大統領室の工作だ」などのコメントも書き込んだ。
この他にも、ある支持者は「検察捜査権完全剥奪に否定的な見解を持っていた人々も、今やっと分かったことだろう。検察という集団はずっと権力を握らせてはならない殺人鬼集団だということを」と書いた。
警察と消防当局によると、イ・ソンギュンさんは27日、ソウル市鍾路区の臥竜公園近くに止められていた車の中で死亡しているのが発見された。イ・ソンギュンさんは今年初めからソウル・江南の遊興飲食店で室長をしていた女(29)の自宅で大麻や麻酔薬ケタミンなど、複数の種類の違法薬物を使用した容疑で捜査を受けていた。
キム・ミョンイル記者