韓国版ふるさと納税、届いた返礼品は脂身ばかりの豚バラ肉…何があったのか

 故郷愛寄付制(韓国版ふるさと納税)を通じて仁川市弥鄒忽区に寄付した市民が、返礼品として豚バラ肉を受け取ったところ、脂身ばかりだったとして物議を醸している。業者側は「肉の選別・分類の過程でミスがあった」と釈明した。

【写真】仁川市弥鄒忽区から返礼品として受け取った脂身ばかりの豚バラ肉

 インターネットのコミュニティーサイトには26日「故郷愛寄付制、仁川市弥鄒忽区には寄付しない方がいい」と題する書き込みが投稿された。投稿者のAさんは「仁川市弥鄒忽区に寄付し、付与されたポイントで返礼品を受け取った。ところが添付写真のような肉だった」と1枚の写真を添付した。

 Aさんが投稿した写真には豚バラ肉が写っているが、半分ぐらいが白い脂身だった。これは、仁川市弥鄒忽区に寄付すると3万ポイントで購入できる「韓豚贈答品セット1キロ(1等級豚バラ肉+豚肩ロース)」で、業者から直接送られてくることが分かった。Aさんは「豚バラ肉500グラム、肩ロース500グラムが届いたが、肩ロースは赤身の塊だったので食べられたけど、豚バラ肉はこんな感じだったので3分の2ぐらい取り除いて捨てた」と説明した。

 Aさんがさらに気分を悪くした理由は、脂身ばかりの肉を下に隠すように並べていた点だった。Aさんは「まともに見える肉が上に並んでいたので、包装を外したときいっそう気分が悪かった」「故郷愛寄付制で返礼品をもらう方々は、肉のような生鮮品ではなく工業製品にするのが一番いいと思う」とつづった。

 故郷愛寄付制は、個人が自分の住所地ではなく故郷や別の地方自治体に年間500万ウォン(約55万円)以内で寄付すると、税金が控除される上、寄付金額の30%以内の返礼品がもらえる制度で、今年1月1日に施行された。例えば10万ウォンを寄付すると、3万ポイントがもらえる。

 コメント欄には「いい趣旨の制度なのに、こんなふうに変質したら誰も寄付しなくなる」「食べ物でふざけたことをしちゃダメでしょ」「特産品よりも地域通貨や商品券をもらったほうがマシ」などの反応が寄せられた。

 するとAさんは「返礼品を販売した店の過ちというよりは、あんなふうにパックした職員が恥知らずだってことだ」「公務員たちには何の過ちもない。肉を切った人の過ちだ」「残りのまともな部分はおいしくいただいた。私の書き込みを見て被害者が減ればそれで満足だ」とつづった。

 弥鄒忽区は業者との協約に基づき、商品に瑕疵(かし)や不良が見つかった場合には交換・返品を受け付けている。業者側は弥鄒忽区を通じ「年末でとりわけ忙しいため、選別や分類の作業にミスがあったようだ。午前中に(従業員の)教育も済ませた」とコメントした。

 弥鄒忽区の関係者はチョソン・ドットコムの電話取材に対し「寄付制の施行当初から一緒にやってきた業者だが、これまではこの商品に関する苦情はなかった」として「業者側も、受け取った市民と連絡を取ろうとしている。あるいは業者に直接連絡してくださればすぐに対応する予定」と話した。

イ・ヘジン記者

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