「GUCCI(グッチ)」はほとんどの韓国人が読むことのできる海外高級ブランドのロゴの一つだ。2023年初めにはこのロゴがアルファベットではなくハングルで表記された。イタリアのファッション・ブランドであり、ファッション企業でもあるGUCCIは昨年初め、自社のロゴを初めてハングルで「グッチ」と表記した限定版Tシャツを発売した。この大胆なデザインが発表されると、韓国のインターネット・コミュニティー・サイトは「東廟(フリーマーケットで有名なソウルの街)で売っている服だと思った」「コピー商品のように見える」とざわついた。しかし、海外からは「面白い」「ユニークだ」という反応が寄せられた。海外の高級ブランドを展開する企業や海外の消費者の方が先にハングルの魅力に気付いたのだ。GUCCIは一昨年、リゾート・ファッション・コレクションを発表した時も、韓国を代表する島の名前「チェジュ(済州)」とハングルで書かれたバッグを発売した。
【写真】 ハングルをあしらったPREENのバッグとBALENCIAGAのTシャツ
ファッション業界で外国の文字を使ったアイテムが作られることはしばしばある。欧米のデザイナーは今までにない新たな魅力を強調しようと、日本語・中国語・アラビア語・ヒンディー語などを使ってきた。ハングルを使ったケースは2000年代半ばまではほとんどなかったが、2010年代後半から状況が一変した。韓流ブームにより、海外の主なファッション・ウィークのステージにもハングルが書かれた服が登場し始めた。ハングルに対する海外デザイナーや消費者たちの見方が変わったということでもある。
日本のファッションデザイナー、山本耀司はハングルで「ナムアミタブル(南無阿弥陀仏)」と書かれたネクタイをモデルに締めさせ、英国のブランド「PREEN(プリーン)」はハングルで「キンジャン ハラ(緊張せよ)」と書かれたバッグをモデルに持たせてファッションショーに登場させた。フランスのファッション・ブランド「BALENCIAGA(バレンシアガ)」は2020年、英語・中国語・アラビア語などと共にハングルで「バレンシアガ」と書かれたトレーナーを発売した。
ファッション・グループ企業「LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン」に属しているフランスのファッション企業であり高級ブランドの「Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)」も一昨年、米ニューヨークで開催された創業者生誕200年記念展示でハングルを前面に掲げた。男性アイドルグループBTS(防弾少年団)のメンバーたちがルイ・ヴィトンのロゴを描いた作品が中央に展示されたが、この時、作品の片側一面には「LV」というロゴをハングルで「エルヴィ」と大きく書いたものが使われていた。
宋恵真(ソン・ヘジン)記者