【ソウル聯合ニュース】韓国の保守系与党「国民の力」は21日、来年4月の総選挙を率いる臨時執行部である非常対策委員会の委員長に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の最側近、韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官(50)を指名した。韓氏は尹大統領に辞意を表明。尹大統領はこれを受け入れ、免職案を承認した。
韓氏は検察で要職を務めた「エリート特捜部検事」で、尹大統領の検察時代からの最側近とされる。尹政権が発足した昨年5月に法務部長官に起用された。国会答弁などで野党と激しい論戦を交わし、知名度を高めた。世論調査会社・韓国ギャラップが今月初旬に発表した将来の政治指導者の支持率調査では革新系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表(19%)に次ぐ2位(16%)に浮上した。
韓氏は26日に開かれる党全国委員会での議決を経て正式に就任する。非常対策委は年内にも発足する見通しだ。
同党の金起炫(キム・ギヒョン)前代表は13日、主流派の「犠牲」を求めた革新委員会との対立や党の支持率低迷などを受けて辞任した。
同党の尹在玉(ユン・ジェオク)党代表権限代行はこの日国会で記者会見を開き、「若くて斬新な非常対策委員長として国民の力と韓国の政治を変えていくことは間違いない」と表明。「若い世代と中道層から大きな期待を受けている」として、「党員や保守層の総選挙勝利に対する切迫感と結束力を引き出す肯定的な効果を期待している」と述べた。韓氏は政治経験がないとの指摘に対しては、「新しい政治をするためにはより良い条件かもしれない」と答えた。尹大統領の最側近であるため、大統領室と党が垂直的な関係になるとの指摘に関しては、「(尹大統領と)信頼関係があるため意思疎通の質がはるかに良くなり、率直な意思疎通が行われることを期待している」と述べた。