【ソウル聯合ニュース】韓国大法院(最高裁)が21日、徴用被害者や遺族が三菱重工業と日本製鉄(旧新日鉄住金)をそれぞれ相手取って損害賠償を求めた訴訟の上告審で原告勝訴の判決を言い渡したことを受け、被害者を支援する市民団体「民族問題研究所」「日帝強制動員市民の集まり」と弁護団は記者会見を開き、「これまでの判決の中で被害者を最も手厚く保護する非常に合理的な判決」と評価した。
2013年に日本製鉄を、14年に三菱重工業を相手取って起こした訴訟の原告らは10年近く続いた裁判の間に相次いで死去し、この日の記者会見では本人に代わって遺影が並んだ。
司法は今回の判決で、日本企業の賠償責任を認めた18年の大法院判決以前に日本企業側が訴訟を提起する権利が消滅する「消滅時効」の完成を主張することは許されないと初めて明言した。
これを受けて支援団体と弁護団は、下級審で係争中の徴用訴訟が消滅時効により棄却される恐れはないとの見通しを示した。
裁判所の判決が出たか、判決を待っている訴訟は18年の大法院判決3件とこの日判決が言い渡された2件を含め、約70件に上る。
日本製鉄の裁判で弁護を担当した林宰成(イム・ジェソン)弁護士は、消滅時効の起算点を12年とすべきか18年とすべきかを巡って紛争の余地があったが、今回の判決により再び大法院の全員合議体が開かれない限り法的争点は整理されたと説明した。
一方、日本政府がこの日の判決に遺憾を表明したことに対し、民族問題研究所のキム・ヨンファン対外協力室長は「予想された反応」と述べた。
キム氏は「(判決は)韓日政府間の政治的妥協であり、(問題が)絶対に終わらないことを示している」として「18年から5年が経って判決が下されたが、一番の責任は(訴状の)送達を遅らせた日本政府にある」と強調。韓国政府が日本製鉄と三菱重工業に賠償させるよう外交的保護権を発動し、日本政府にも圧力をかけなければならないと主張した。