新たに勝訴確定の原告にも財団が賠償肩代わり 徴用訴訟=韓国政府

【ソウル聯合ニュース】韓国外交部の任洙ソク(イム・スソク)報道官は21日の定例会見で、徴用被害者らが損害賠償を求めた訴訟2件の上告審で韓国大法院(最高裁)が同日に日本企業への賠償命令判決を確定させたことについて、この原告に対しても「第三者弁済」の解決策に従い賠償金を支払う方針を明らかにした。

 第三者弁済の解決策は、韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が民間の寄付によって財源をまかない、日本企業に代わって賠償の確定判決を得た徴用被害者らに賠償金などを支払うというもので、政府が今年3月に発表していた。任氏は「今後も財団とともに被害者、遺族ひとりひとりと会い、さまざまな形で政府の解決策を忠実に説明し、理解を求める努力を続ける」と述べた。

 日本政府がこの日、「日韓請求権協定に明らかに反している」として判決を受け入れられないとの姿勢を改めて示したことに対しては、「韓国側の解決策にのっとり必要な措置を検討する。日本側と必要な意思疎通を続けていく」とした。「必要な措置」に同財団の財源拡充も含まれるかとの質問には、「民間の自発的な寄付などを含め、必要な財源を拡充していける方策を検討する」と説明した。

 同財団は、1965年の韓日請求権協定に基づき韓国が受け取った資金の支援を受けた鉄鋼大手、ポスコが拠出した40億ウォン(約4億4000万円)などで基金をつくったが、現在は新たに勝訴が確定した被害者に賠償金を支払うには足りないとされる。

 大法院はこの日、徴用被害者や遺族が日本製鉄(旧新日鉄住金)と三菱重工業をそれぞれ相手取って損害賠償を求めた訴訟2件の上告審で、原告勝訴の判決を言い渡した。両社に賠償を命じた一審と二審判決が確定した。原告は日本製鉄相手の訴訟が7人、三菱重工業相手が4人の計11人だ。

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