【ソウル聯合ニュース】韓国と北朝鮮の軍事境界線上にある板門店の共同警備区域(JSA)で北朝鮮軍が再武装したことへの対応として、韓国軍を中心とする国連軍も拳銃を携帯して警備に当たり始めた。国連軍司令部は19日の声明で「現在の北朝鮮軍の武装態勢を考慮し、国連軍司令部はJSA警備要員に民間人と軍人を保護するための再武装の権限と資格を付与した」と明らかにした。
国連軍司令部は「過去の合意通りJSAを武装解除することが朝鮮半島をより安全、平和にできるという立場を韓国政府と北朝鮮軍側に伝達した」とも言及した。また、「JSAは対話と(朝鮮戦争)休戦協定履行の場として残る」として北朝鮮軍関係者を安心させたと説明した。
韓国軍関係筋によると、JSAに勤務する北朝鮮軍兵士が先月末から拳銃を携帯し始めたことから、韓国政府は今月初めに国連軍司令部に韓国側の兵士の武装を要請した。
先月21日の北朝鮮の軍事偵察衛星打ち上げを受け、韓国政府は22日、2018年締結の南北軍事合意のうち「飛行禁止区域設定」に関する効力を停止した。
北朝鮮は翌日に同合意の事実上の破棄を宣言すると、合意に基づき非武装地帯(DMZ)で撤去・撤収済みだった11カ所の監視所(GP)に兵力を投入して監視所を再設置。無反動銃などの重火器も搬入した。朝鮮半島西側、黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)近くに北朝鮮軍が配備する坑道型の海岸砲は、砲門を開けている数が急増したとされる。合意により武装を解除していたJSAでは武装を再開した。