【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル市教育庁が4月10日から1カ月間、市内の小学校4年生から高校3年生を対象に校内暴力に関する調査を行った結果、校内暴力を受けたことのある児童・生徒がこの10年で最も多かった。ソウル市教育庁が15日までに公表した調査結果で分かった。
昨年の8月末ごろから回答時点までに校内暴力の被害者や加害者になった経験や、校内暴力を目撃した経験をオンラインで尋ねる調査には、小学校4年生から高校3年生60万7653人のうち48万6729人が参加した。
◇対面授業再開後に増加
今回の調査で、校内暴力の被害にあったと回答した児童・生徒は、全体の2.2%にあたる1万700人だった。前年(2.0%)より0.2ポイント増え、この10年で最も多かった。
被害にあったのは小学校が4.6%で最も多く、中学校1.6%、高校0.4%と続いた。前年に比べて小学校は変化がなく、中学校は0.7ポイント、高校は0.1ポイントそれぞれ上昇した。
ソウル市教育庁は、校内暴力の被害が増えた理由として、コロナ禍で行われていた非対面の授業が終わり、生徒間の交流が多くなったためと分析した。
被害を受けたとする回答は2019年には2.0%だったが、非対面授業が始まった20年には1.1%に減った。その後、対面授業が再開されると22年には2.0%に、23年には2.2%に増加した。
ソウル市教育庁の関係者は、非対面授業を受けていた生徒らが再び登校するようになったが、これまで友人と直接接する機会が少なかったため、あつれきが生じた際に解決するのが難しく、暴力につながるケースが多くなったようだと説明した。
回答者が経験した校内暴力を分類すると、「言葉の暴力」が37.7%で最も多く、「身体への暴力」(18.1%)、「集団いじめ」(15.3%)などの順だった。
加害者はクラスメート(46.1%)が最も多く、同じ学校の同じ学年(32.7%)、同じ学校の他学年(6.8%)などが続いた。
被害を受けた場所は学校内(68.8%)が学校外より多かった。学校内では教室(29.4%)が最も多く、廊下や階段(16.8%)、運動場や講堂(9.6%)、トイレ(4.2%)などだった。
校内暴力の被害を受けた後、93.0%は周囲の人や警察に知らせたと回答した。知らせたのは保護者や親戚(37.9%)、学校の先生(29.5%)、友人や先輩・後輩(15.5%)、学校の相談室の教師(4.9%)などが多く、学校を担当する警察官や警察に通報したケースは1.5%、学校外の相談機関に通報したケースは1.2%にとどまった。
◇0.9%が「私が加害者」、5.5%は「校内暴力を目撃した」と回答
自分が校内暴力をしたとする回答は0.9%で、前年(0.5%)に比べて0.4ポイント増えた。小学校が2.0%で最も多く、中学校0.6%、高校0.1%の順だった。前年に比べて小学校は0.8ポイント、中学校は0.3ポイント増え、高校は同じだった。
校内暴力を目撃した割合も5.5%で、前年(4.5%)に比べて1.0ポイント増加した。小学校が前年比0.6ポイント増の9.3%、中学校が2.3ポイント増の5.8%、高校が0.5ポイント増の1.4%だった。
目撃時の反応としては「被害を受けた人をなぐさめ、助けた」が35.0%で最も多く、「何もできなかった」という回答は30.0%だった。また「通報した」(17.6%)、「加害者を止めた」(16.5%)、「自分も一緒に被害者を苦しめた」(0.9%)と続いた。