【ソウル聯合ニュース】韓国政府は13日、韓悳洙(ハン・ドクス)首相主宰で青年政策調整委員会を開き、孤立・引きこもり状態にある青年(19~34歳)の社会復帰支援策を発表した。ワンストップ相談窓口を設けてこうした青年を見つけ出すとともに、専門員を配置して社会への適応や就業に向けたプログラムを提供する。自治体ごとの対策はこれまでもあったが、政府として支援策を打ち出すのは初めてで、それだけ若者の孤立・引きこもりの問題が深刻であることを示している。
韓国保健社会研究院は、社会活動が著しく減り、緊急状況で手助けを受けられない孤立状態の青年は54万人存在し、このうち社会活動をせず限られた空間に閉じこもる引きこもりの青年が24万人に達すると推定している。青年財団は、こうした青年による社会的コストを7兆ウォン(約7700億円)と試算する。
政府はまず、孤立・引きこもり青年がオンラインで支援を要請できるワンストップ支援窓口を来年下半期に設置し、こうした青年を見つけ出す。保健福祉部所管の公共サイトには孤立・引きこもりのリスクをセルフチェックできるシステムを導入する。また、「129保健福祉相談センター」の相談カテゴリーに青年を新設し、当事者だけでなく家族や友人が支援を求められるようにする。
養護施設による保護の終了から5年以内の自立準備青年をハイリスク群とみなし、こうした青年を支援する専門員を関係機関に配置する。
これらの施策で見つけ出した孤立・引きこもり青年をそれぞれの事情に合わせて支援するため、来年から青年未来センター(仮称)を運営する。専門の管理士が支援を求める青年と面会して心理相談、日常生活や家族・対人関係の回復、仕事経験などのプログラムを提供する。
四つの広域自治体で青年未来センターを2年間試験運営した後、全国に拡大する。来年度(1~12月)の予算は13億ウォンで、32人の専門員が配置される。
孤立・引きこもりの発生を減らすため、青少年の学校・職場への適応も支援する。
学校でのいじめや不適応などに苦しむ児童・生徒を支援するモデル校は、今年の96校から来年は248校に増やす。また、社会人1年目の人を対象に会社への適応に必要な知識とスキルを教えるプロジェクトを新設する。
政府は孤立・引きこもり青年の問題が深刻化している理由について、新型コロナウイルス禍を経て社会的関係のセーフティーネット(安全網)が希薄化し、「休んでいる」状態の青年が増えたためとみている。重大な病気や障害がなく求職活動をしていない青年の人数は、2016年の24万9000人から今年7月には40万2000人に急増した。
曺圭鴻(チョ・ギュホン)保健福祉部長官は「未来への不安に苦しむ青年たちが日常生活を送れるよう積極的に支援し、さまざまな社会問題を予防する」としている。