米国議会が国防予算関連法案審議で、在韓米軍の規模を現在の水準である約2万8500人を維持することを定めた。また韓国に対する拡張抑止(核の傘)の強化を行政府に要求し、国防総省などには戦時作戦統制権移管に向けた進捗状況の議会への報告も義務づけた。
米国議会上下院軍事委員会は7日(現地時間)、上記の内容を含む2024会計年度(2023年10月-24年9月)の国防授権法(NDAA)草案に合意した。その文言には「国防長官は中国との戦略的競争で比較優位を拡大するため、インド・太平洋地域における同盟国とのパートナーシップ強化に向け努力を続けねばならない」と明記されている。さらに「韓国に派兵されている約2万8500人の米軍の規模を維持し、全ての範囲における国防力を動員して拡張抑止の約束を確認すること」も求めた。
トランプ前大統領が在任中に在韓米軍撤収をちらつかせた際、米議会は2019会計年度の国防授権法に「在韓米軍を2万2000人以下に削減する際には国防予算を使用できない」とくぎを刺した。さらに2020-2021会計年度には在韓米軍の下限を2万8500人に増やし、その後も今に至るまでこの方針を維持している。
今年4月26日に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が国賓として米国を訪問した際、バイデン大統領と尹大統領により『ワシントン宣言』が採択されたが、今回の国防授権法草案は「ワシントン宣言で強調された核抑止の深化と調整」も求めている。ワシントン宣言に基づき今年7月に発足した核協議グループ(NCG)を中心に拡張抑止の強化を進めるよう求めたのだ。
戦時作戦統制権移管問題については移管に向け韓国軍が充足すべき条件、そしてその条件がどこまで進捗しているかについて、国防長官が議会に報告するよう定めた。また移管に先立ち国防長官は国務長官と協議した上で、議会の関係する委員会に通知することも義務づけた。
また日々変化するインド・太平洋の安全保障環境に対処するため、米軍の戦略態勢などを評価し、在日米軍と在韓米軍を含む組織の調整に関する勧告などが記載された報告書の提出も義務づけられた。この報告書は2025年4月1日までに議会に提出しなければならない。
国防授権法は来週中に上下院本会議で採決が行われ、その後バイデン大統領が署名し発効する。
ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員