正恩氏娘の権威づけ 「厳しい状況で世襲をアピール」=韓国統一相

【楊平聯合ニュース】韓国の金暎浩(キム・ヨンホ)統一部長官は6日、北朝鮮が困難な状況に直面しているというサインが続いているとし、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が娘のジュエ氏に注目を集めさせているのは、そのような状況におかれ、世襲への意志を急いで示そうとする証拠だなどと指摘した。ソウル近郊の京畿道・楊平で開いた記者会見で述べた。

 統一部の高官はこれと関連して、政権を担うまで準備期間が短かった金正恩氏が自身の経験を考慮しジュエ氏を早くから表舞台に立たせたと推測した。

 同高官は、これまで公開されたジュエ氏の19回の公式日程のうち16回が軍事関連だったことや、ジュエ氏の扱いが高まり続けたこと、北朝鮮の軍人らがジュエ氏を故金日成(キム・イルソン)主席直系のいわゆる「白頭血統」と認めるような行動を示したことなどから、ジュエ氏が正恩氏の後継者になる可能性を検討する必要があると分析した。

 また、北朝鮮が2021年1月の朝鮮労働党の第8回党大会で国務委員長(朝鮮労働党総書記)に次ぐポストとして「第1書記」を新設して空席のままにしているとし、世襲に向けた措置である可能性を指摘した。

 金長官は北朝鮮が困難に直面しているとするサインとして、在外公館の相次ぐ閉鎖、慢性的な食糧難、脱北して韓国に来る住民の増加などを挙げた。

 北朝鮮の在外公館の閉鎖が続いたのは外交上の問題と財政的な限界を示しているとの見方を示した。

 北朝鮮が軍事偵察衛星を打ち上げた後、非武装地帯(DMZ)に監視所(GP)を復旧し、板門店の共同警備区域(JSA)で再武装するなど朝鮮半島の緊張を高めていることについては、内部の厳しい状況から目をそらさせようとする意図があるなどと指摘した。

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