韓国・文在寅(ムン・ジェイン)政権下の青瓦台による蔚山市長選介入事件の一審で、ソウル中央地裁は11月29日、宋哲鎬(ソン・チョルホ)元蔚山市長、黄雲夏(ファン・ウンハ)元蔚山警察庁長(現共に民主党議員)、宋炳琪(ソン・ビョンギ)元蔚山市副市長にそれぞれ懲役3年、青瓦台の白元宇(ペク・ウォンウ)元民情秘書官には懲役2年の判決が言い渡された。4人を含め計12人が有罪となった。起訴から一審判決まで3年10カ月を要した。
【表】文政権時代の青瓦台を舞台とする蔚山市長選介入事件…主な被告の起訴事実と検察の求刑
ソウル中央地裁「(被告らは)国民全体に奉仕しなければならない警察組織と大統領秘書室を自分たちの政治的利益のために私的に利用し、国民の投票権行使に影響を及ぼそうとした。厳しい処罰で再び選挙介入行為が起きないようにする必要性が高い」と指摘した。
この事件は文在寅政権下の青瓦台が2018年に宋氏が出馬した蔚山市長選に介入したものだ。青瓦台秘書室内の8部署が宋氏を当選させるため、当時の金起炫(キム・ギヒョン)市長に対する捜査を指示したほか、与党内の競合候補を買収したり、宋氏の公約を支援したりした疑いが持たれた。裁判所はこのうち「捜査指示」の部分を有罪と認めた。
ソウル中央地裁は「(被告らが) 公権力の頂点にある地位を悪用し、捜査指示を通じて選挙に介入することで有権者の選択と決定をねじ曲げた。それは選挙制度と参政権を脅かした重大な犯罪行為だ」と断じた。また「宋氏は犯行計画に主導的に加担し、黄、白の両氏らは特定の人物と政党の利益のために警察の捜査機能と大統領秘書室の監察機能を不当に利用した」と批判した。
裁判の遅延で一審判決まで3年10カ月かかり、宋氏は市長の任期(4年)を終え、黄氏も議員の任期(4年)がほぼ経過した。
パン・グクリョル記者