【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)は30日、定例の金融通貨委員会を開き、政策金利を年3.50%に据え置くと発表した。据え置きは7会合連続。
7会合連続での据え置きを決めたのは、経済成長が低迷する中で家計債務など金融不均衡のみが拡大するというジレンマが続いているためだ。
来年の経済成長率見通しを下方修正するなど景気回復が見通せない状況で、家計債務の増加などを踏まえると無理な利上げによって消費と投資をさらに萎縮させ、家計・企業債務や不動産プロジェクトファイナンスの不良債権化のリスクを高める理由がないと判断したようだ。
韓国銀行は今年の経済成長率見通しを1.4%で据え置いたが、来年の見通しは2.2%から2.1%に下方修正した。
10月の産業活動動向統計でも生産(マイナス1.6%)、消費(マイナス0.8%)、投資(マイナス3.3%)がいずれも前月比で減少し、全産業(季節調整値・農林漁業を除く)生産指数は1.6%下落。下落幅は2020年4月(マイナス1.8%)以来3年半ぶりの大きさとなった。
米国の物価指標が良好で米連邦準備理事会(FRB)が追加利上げを行う可能性が大幅に低下したことや、原油価格が比較的安定しており、足元の物価条件が悪くないことも韓国銀行に対する利上げ圧力を弱めた。
ただ、景気浮揚効果などを見越して米国より先に利下げに踏み切るのも難しい状況だ。
今年4月以降、家計向け貸し出しが急速に増加していることに加え、韓国と米国の金利差が最大2.00%(米国5.25~5.50%、韓国3.50%)と過去最大に開き、ウォン安と海外投資家の資金流出の可能性が高まっているためだ。
また、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突による原油の価格不安などインフレの火種も残っており、利下げも容易ではない。韓国銀行はこの日、来年の消費者物価上昇率の見通しを2.4%から2.6%に引き上げた。